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【2025年版】確定申告完全ガイド~確定申告の基礎~

作成日:2025/01/27(月) 基礎知識

【2025年版】確定申告完全ガイド~確定申告の基礎~

確定申告ってなに?確定申告ではなにをしたらいいの?調べても断片的な情報が多く、1から理解するのは大変です。ギークスジョブの確定申告連載記事では、基本的な概要から分かりやすく解説していきます。確定申告でお困りの方は是非参考にしてみてください。


確定申告完全ガイド~必要な書類や所得計算・経費計上について~
確定申告完全ガイド~具体的な書き方~
確定申告完全ガイド~e-Taxの基本~
確定申告完全ガイド~よくあるミスと税務調査とは~



フリーランスの方にとって、毎年の一大イベントといえば「確定申告」です。初めて確定申告をする方にとっては、手続きの内容や準備すべき書類がわからず、不安に感じることも多いでしょう。また、インターネット上には多くの情報が飛び交っていますが、必要な情報が断片的で、どこから手をつければいいか迷うこともあります。
この記事では、確定申告の基本や仕組み、対象者や種類の違いなどについて解説します。


※ITフリーランス向け福利厚生プログラムフリノベ提携 税理士法人松本 監修

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確定申告の基本

確定申告とは?

確定申告とは、申告をする年の前年(1/1〜12/31)に得た所得を計算し、その所得に対する税額を国に申告・納付する手続きのことです。所得税は、個人の所得に対して課される税金であり、その計算方法や納付方法は法律で定められています。


サラリーマンなどの給与所得者の場合、給与から所得税が源泉徴収され、年末調整によって税額が精算されるため、基本的には確定申告を行う必要はありません。しかし、フリーランスとして働く場合、自分で所得を計算し、税額を申告・納付する必要があります。

なぜフリーランスは確定申告が必要なのか

フリーランスが確定申告を必要とする主な理由は、所得税が源泉徴収されないためです。収入から経費を差し引いた所得を自分で計算しなければなりません。
また、フリーランスは多様な収入源を持つことが多く、収入形態や経費も様々です。そのため、正確に所得を計算しないと、適切な税額を納付できず、最悪の場合は税務調査の対象となる可能性があります。
確定申告を正しく行わず申告や納付が遅れると、ペナルティとして過少申告加算税、無申告加算税、延滞税等の追加の税金が課されます。また、申告内容に不備や虚偽が含まれる場合、税務調査を受ける場合があります。
確定申告は遅滞なく、かつ誠実に提出しましょう。

ITフリーランスの収入と課税の仕組み

所得の定義とは

所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額のことを指します。フリーランスの場合、仕事で得た総収入金額から、その仕事にかかった必要経費を差し引いて所得を算出します。
たとえば、事業所得の場合は、以下の計算方法で求められます。
[総収入金額-必要経費=事業所得の金額]
この所得に対して、所得税が課されるため、必要経費は誤りなく計上しなくてはなりません。


必要経費とは、事業を行う上で直接必要となった支出のことです。ITフリーランスの場合、仕事で用いたインターネットや電話の利用料金、仕事で用いたプリンターのインクや文房具、クライアント先への移動費などが必要経費として認められます。
詳細は、次の記事【確定申告完全ガイド~必要な書類や所得計算・経費計上について~】で説明します。

課税対象となる収入の種類

所得税法では、所得を以下の10種類に分類しています。
1.利子所得
2.配当所得
3.不動産所得
4.事業所得
5.給与所得
6.退職所得
7.山林所得
8.譲渡所得
9.一時所得
10.雑所得


このうち、Tフリーランスの場合、主に事業所得または雑所得として収入を申告します。
事業所得は、個人が事業を行って得た所得です。ITフリーランスがクライアントから得た報酬や、自身で開発したアプリの販売収入などがこれに該当します。
事業所得として申告することで、青色申告特別控除などの税制上の優遇措置を受けることが可能です。


雑所得は、他の9種類の所得に該当しない所得です。たとえば、副業として得たアフィリエイト収入や、執筆活動による印税収入などが該当します。
雑所得は、事業所得に比べて税制上の優遇措置が少ないため、可能であれば事業所得として申告する方が有利です。

確定申告の対象者と期限

対象者

フリーランスとして事業所得がある人は、基本的に確定申告を行う必要があります。具体的には、年間の所得金額が基礎控除額である48万円を超える場合に、確定申告が必要となります。


所得金額とは、総収入金額から必要経費を差し引いた金額のことです。例えば、総収入金額が200万円で、必要経費が100万円の場合、所得金額は100万円となり、基礎控除額を超えるため確定申告が必要です。


また、給与所得者であっても副業などで給与以外の所得が20万円を超える人は、確定申告を行わなければなりません。
これはサラリーマンが副業で得た収入が該当します。


さらに、2か所以上から給与を受け取っている人や、退職所得や一時所得がある人も確定申告が必要となる場合があります。
例えば、転職して年末調整が2か所で行われなかった場合や、退職金や懸賞金を受け取った場合がこれに当たります。


一方で、確定申告が不要なケースも存在します。
給与所得者で年末調整が済んでおり他に所得がない場合や、給与以外の所得が20万円以下の場合は確定申告を行う必要はありません。ただし、この場合でも住民税の申告が必要になることがあるため、市区町村の窓口で確認することをおすすめします。


また、年間の所得金額が基礎控除額の48万円以下の場合も所得税が発生しないため、確定申告は不要です。
しかし、還付申告(払い過ぎた税金の還付を受けるための申告)を行うことで、源泉徴収された税金が戻ってくる場合があります。


確定申告の義務はなくても、確定申告を行うことで税金が還付されるケースもあります。
例えば、医療費控除や寄附金控除(ボランティア団体や学会などへの寄附、ふるさと納税など)を受けることで、源泉徴収された税金が戻ってくる可能性があります。
また、住宅ローン控除を受ける初年度も確定申告が必要です。


自分が確定申告が必要か分からない時には、税務相談チャットボット(ふたば)に相談することも可能です。

申告期限と提出方法

確定申告の提出期間は、毎年2月16日から3月15日までです。この期間内に所轄の税務署に申告書を提出し、所得税を納付する必要があります。例えば、2024年分の所得に対する確定申告は、2025年の2月17日から3月17日までが申告期間となります。


申告期限を過ぎてしまうと、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課される可能性があります。無申告加算税は、納付すべき税額に対して最大20%が加算されるもので、延滞税は納付が遅れた日数に応じて発生します。
確定申告書の提出方法は主に3つあります。

1. 税務署への持参による提出

これは、最寄りの税務署に直接申告書を持参して提出する方法です。
窓口で職員に確認してもらうことができ、不明点がある場合はその場で相談することも可能です。
ただし、確定申告期間中は税務署が大変混雑することが多いため、時間に余裕を持って訪問することをおすすめします。


2. 郵送による提出

申告書を郵送で提出する方法です。
郵送の場合、消印の日付が提出日となりますので、期限内に消印が押されるように注意が必要です。
郵送の際は、確定申告書と必要な添付書類を封筒に入れ、所轄の税務署宛に送付します。
提出後の控えが必要な場合は、返信用封筒を同封すると良いでしょう。


3. 電子申告(e-Tax)による提出

マイナンバーカードを持っている場合は、インターネットを利用して電子的に申告書を提出する方法がおすすめです。
e-Taxを利用することで24時間いつでも申告が可能で、添付書類の一部を省略できるなどのメリットがあります。利用するためには、マイナンバーカードと対応するICカードリーダライタ、または税務署で発行される「ID・パスワード方式」による認証が必要です。


e-Taxによる提出については、【確定申告完全ガイド~e-Taxの基本~】の記事で解説します。

青色申告と白色申告の違い

確定申告には「青色申告」と「白色申告」があります。
この章では、それぞれの違いについて解説します。

青色申告とは

青色申告は、一定の要件を満たすことで、税制上のさまざまな特典を受けることができる申告方法です。主に事業所得、不動産所得、山林所得がある個人が対象となります。
青色申告を行うためには、事前に「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出し、承認を受ける必要があります。この申請書は、原則としてその年の3月15日まで、または事業開始日から2か月以内に提出しなければなりません。


青色申告を選択することで、青色申告特別控除や純損失の繰越控除、家族への給与の必要経費計上など、さまざまな税制上の優遇措置を受けることができます。

青色申告の要件

前述した「一定の要件」としては、まず正規の簿記(複式簿記)に基づいて正確な帳簿を作成し、損益計算書や貸借対照表を作成する必要があります。
また、帳簿や領収書、請求書などの証憑書類を原則として7年間保存しなければなりません。
それ以外にも、確定申告書を申告期限内に提出する必要があります。期限を過ぎると、青色申告特別控除が適用されなくなる場合があります。


このように、青色申告は白色申告よりも要件が厳しいため、確定申告に必要な手続きを行う際には税理士の力を借りることもおすすめです。

青色申告のメリット・デメリット

青色申告には、下記のメリットがあります。


1.青色申告特別控除が適用される

青色申告を行い、正規の簿記による記帳と貸借対照表・損益計算書の提出を行うことで、最大65万円の青色申告特別控除を受けることができます。これにより、課税所得を減らし、所得税や住民税の負担を軽減できます。


2.純損失の繰越控除ができる

事業所得などで赤字(純損失)が発生した場合、その損失を翌年以降3年間にわたって繰り越し、各年の所得から控除することができます。その結果、将来の所得税負担を軽減できます。


3.家族への給与の必要経費計上ができる

生計を一にする配偶者や親族が事業に従事している場合、「青色事業専従者給与」として、その給与を必要経費に計上できます。
ただし、事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出し、適正な給与額である必要があります。


4. 貸倒引当金の設定

売掛金などの将来の貸倒れに備えて、一定の金額を必要経費として計上できます。その結果、税負担を平準化することができます。

さまざまなメリットがある一方で、青色申告には下記のデメリットもあります。


1. 複式簿記による記帳の手間がかかる

前述の通り、青色申告では、複式簿記による正確な記帳が求められます。簿記の知識が必要であり、記帳作業に時間と手間がかかるため、慣れていない場合はこの作業が負担となることがあります。そのこともあり、記帳などの作業は税理士に依頼することも視野に入れるとよいでしょう。


2. 事前申請の必要性

また、青色申告を行うためには、所轄の税務署に事前の申請が必要です。申請期限を過ぎるとその年は青色申告ができなくなるため、青色申告をしたい場合には前もってスケジュールを組んだ上で行動するとよいでしょう。


3. 書類の保存義務

青色申告は、帳簿や証憑書類を7年間保存する義務があります。この書類を保管するためにスペースや管理の際の手間が増えることも青色申告もデメリットです。


一方で、税務署に申請が要らない「白色申告」についても解説します。

白色申告とは

白色申告は青色申告のような事前申請が不要で、比較的簡易な方法で申告ができる制度です。主に事業所得や不動産所得がある個人が対象となりますが、青色申告に比べて税制上の優遇措置が少なく、節税効果が低いのが特徴です。


しかし、平成26年の税制改正により、白色申告者にも記帳と帳簿保存の義務が課せられるようになりました。そのため、現在では青色申告との差は縮小しています。

白色申告の要件

白色申告を行うためには、特別な申請は不要です。しかし、単式簿記による記帳が認められており、現金の出入りを中心に簡易な帳簿を作成する必要があります。
また、帳簿や領収書、請求書などの証憑書類を5年間保存する義務があります。

白色申告のメリット

白色申告には、下記のメリットがあります。

1. 記帳が比較的簡単

単式簿記による記帳が認められており、現金の収支を中心に簡易帳簿を作成します。そのため、簿記の知識がなくても対応しやすく、記帳の手間が少ないです。


2.事前申請が不要

青色申告のように事前の申請が不要で、申告時にそのまま提出できます。急に申告が必要になった場合でも、手続きを進めやすいです。

白色申告のデメリット

青色申告よりも管理や提出が簡単な白色申告ですが、以下のようなデメリットもあります。


1.税制上の優遇措置が少ない

白色申告では、青色申告特別控除(最大65万円)が適用されません。また、純損失の繰越控除や家族への給与の必要経費計上など、青色申告で受けられる特典がありません。


2.家族への給与の必要経費計上が制限される

生計を一にする配偶者や親族に対して支払った給与は、必要経費として計上できません。
その代わりに「事業専従者控除」として一定額を控除できますが、控除額に上限があり、青色申告に比べて不利です。


3. 帳簿の保存義務がある

それまではなかった帳簿の保存義務も、平成26年以降、白色申告者にも記帳と帳簿保存の義務が課されています。
この点では青色申告との差異が少なくなったと言えるでしょう。



青色申告・白色申告それぞれにメリット・デメリットがあるので、税制優遇や管理の手間などを加味した上で、自分にフィットした申告方法を選びましょう。

項目 青色申告 白色申告
事前申請の必要性 必要(事業開始後2か月以内、またはその年の3月15日までに申請) 不要
記帳方式 複式簿記が必要(正規の簿記) 単式簿記が認められる
(簡易な現金出納帳など)
保存義務 帳簿や証憑書類を7年間保存 帳簿や証憑書類を5年間保存
控除額 最大65万円または55万円(簡易簿記は10万円) 控除なし
損失の繰越控除 可能(純損失を翌年以降3年間繰り越せる) 不可
家族への給与計上 家族(生計を一にする配偶者や親族)への給与を必要経費として計上可能 家族への給与計上は不可。
ただし「事業専従者控除」が利用可能
節税効果 高い(特別控除、損失繰越控除などを活用可能) 低い(控除や特典が少ない)
記帳・作業の手間 複雑で手間がかかる(税理士に依頼するケースも多い) 簡易な帳簿で済むため手間が少ない
申告の柔軟性 事前申請が必要であるため、
急な申告には対応しにくい
事前申請不要のため、急な申告にも対応しやす

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