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エンジニア採用における『企業カルチャー』の伝え方、間違っていませんか? ─「伝えたつもり」が最も危険。ITフリーランスに響く言語化とは?

作成日:2025/08/29(金) 企業向け

エンジニア採用における『企業カルチャー』の伝え方、間違っていませんか? ─「伝えたつもり」が最も危険。ITフリーランスに響く言語化とは?

企業の価値観や仕事の進め方が伝わらない…それは採用における“静かなミスマッチ”の始まりかもしれません。「裁量があります」「風通しの良い職場です」などの文面を募集要項に記述したつもりでも、抽象的な表現ではITフリーランスには届いていないことがほとんどです。
そのような伝えた“つもり”の言葉が、入社後のすれ違いを生む原因となります。「企業カルチャー」とは、単なる雰囲気のようなものではなく、採用の『文脈設計』です。だからこそ伝える方法にも“構造”が必要です。
本記事では、ITフリーランス採用におけるミスマッチを防ぐための、企業カルチャーの言語化の仕方をご紹介します。

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「企業カルチャー」とは、何を指すのか?

企業カルチャーとは、たとえるなら企業にとっての“内なるOS”のようなものです。潜在的な判断や行動、そして対話の前提になっているものと言えるでしょう。
具体的には以下のような要素が含まれます。


価値観…大切にしている信条
行動指針…意思決定のプロセス
組織スタイル…働き方や意思疎通のあり方


下記、具体的な例を挙げてご説明します。
価値観    例:「顧客第一」顧客からのフィードバックを最優先で開発に反映する
       例:「技術優先」最新技術の導入に積極的、技術的負債の解消に投資を惜しまない
行動指針   例:「仮説→検証→改善を重視」新機能開発前に必ずA/Bテストを実施し、データに基づいた意思決定を行う
       例:「顧客起点」施策立案時は必ずユーザーインタビューなどを反映
組織スタイル  例:「Slack文化」情報共有は基本的にSlackの公開チャンネルで行い、非同期コミュニケーションを推奨
       例:「ペアプロ」週に一度はペアプログラミングを実施し、知識共有と品質向上を図る

ITフリーランスが本当に知りたいのは「現場でのリアルな働き方」です。特にエンジニアにとっては、技術選定の自由度や開発体制、チームの雰囲気などがカルチャーフィットの判断材料となります。


そのため単に理念を語るのではなく、現場の行動や習慣として可視化し、ITフリーランスが理解できる情報を発信することが重要です。
スカウト文面やSNSでの日常などの発信、現場のメンバーを交えた面談機会の提供など、
“行動レベル”の情報開示が企業とITフリーランスの相互理解を深め、ミスマッチを防ぎます。

エンジニアが見ている“企業カルチャーの中身”

エンジニア採用において「カルチャーフィット」は重要な評価軸の一つです。特に即戦力人材ほど、技術的な環境や働き方への適応度を重視します。このセクションでは、エンジニアが職場選びの際に注目するカルチャーの要素を、4つの切り口から解説します。


①技術選定の自由度

OSSの活用範囲や、新技術導入への裁量の有無
エンジニアが働きやすさを感じる大きな要素の一つが、技術選定における裁量です。
OSS(オープンソースソフトウェア)の活用が推奨されているか、新技術やツール導入を現場主導で提案できるかは、エンジニアの挑戦意欲に直結します。またアーキテクチャの設計や使用技術の選定プロセスにエンジニア自身が参加できるかどうかも、主体性や納得感を得られる重要なポイントです。
こうした裁量の度合いは、企業の柔軟性やイノベーション志向を映す指標とも言えるでしょう。


アーキテクチャの選定プロセスに誰が関わるか
アーキテクチャの選定に誰が関与するのかというポイントは、組織としての判断の仕組みや自律性を示します。たとえばチームリーダーやマネージャーだけでなく、現場の開発メンバーも議論に参加できる体制であれば、設計方針への納得感が得られ、ITフリーランスのモチベーションを上げる一端となります。
一方で経営層主導で決まる場合は、安定性や方向性の統一といったメリットもあります。どのような意思決定構造かを明確に伝えることや意思決定基準が明確でフィットするかで、ITフリーランスがその環境にマッチしているかを判断しやすくなります。


② 開発体制(裁量・プロセス)

スプリントの進め方やレビュー文化
スプリントの設計や運用方針、コードレビューの頻度やスタイルは、開発チームの文化や成熟度を映し出す重要な要素です。たとえば、チームごとに計画を柔軟に立てられる裁量があるか、プロダクトオーナー主体で進められているのかによって、エンジニアの働き方や関与度は大きく異なります。
レビューが形式的か、学び合いの文化があるかどうかも成長や安心感に影響を与えるポイントです。開発プロセスの詳細は、その職場でどのように働けるかを判断する材料になります。


ドキュメント主義か、会話主義か
意思決定や情報共有のスタイルが「ドキュメント重視」か「会話重視」かは、エンジニアにとって重要なカルチャーの違いです。
ドキュメント主義では、仕様や議論の内容が整理されて残る一方、会話主義ではスピード感や柔軟なコミュニケーションが重視されます。どちらにもメリット・デメリットがあるため、企業としてどのような方針を採っているか、またはチームによってスタイルが異なるのかを明示することで、ITフリーランスが自身の働き方との相性を判断しやすくなります。
また、会話主義であったとしても、後々に認識の齟齬が起きないような仕組みがあるかも重要になります。


③ 働き方・コミュニケーションスタイル

フルリモートの可否や、同期/非同期の割合
フルリモートが可能か、出社とのハイブリッドなのかといった勤務形態の柔軟性は、ITフリーランスのライフスタイルとの適合に直結するため開示しておくべき内容です。
またSlackやNotionなどを活用したコミュニケーションが中心か、ミーティング主体かといった情報伝達のスタイルも、個人の働き方の相性を左右します。たとえばフルリモートでも週1の任意出社など、交流の方針を伝えることでミスマッチを防ぐことができます。


雑談の多さや、チーム内の相談しやすさ
雑談や相談のしやすさも、職場の心理的安全性を示す大切な要素です。
業務外の会話が自然に生まれているか、誰にでも気軽に質問・相談できる雰囲気があるかは、エンジニアが安心して働ける環境かどうかの指標となります。1on1ミーティングや雑談チャンネルの有無なども含め、日常的なコミュニケーションのあり方を伝えることで、ITフリーランスはチームの空気感や人間関係の柔らかさをイメージしやすくなります。


④ 現場エンジニアの雰囲気

技術へのこだわり、学習意欲
現場エンジニアが技術にどれだけ熱意を持ち、学び続けているかは、チームの成長力を示す重要な指標です。たとえば「隔週で勉強会を開催し、最新技術や知見を共有している」といった実例は、学習文化が根付いている証です。最新技術のキャッチアップに積極的か、社内外での勉強会や情報共有の文化が根付いているか、個人の探究心が尊重される風土かなどがITフリーランスに伝わります。
・最新技術のキャッチアップに積極的
・社内外での勉強会や情報共有の文化が根付いている
・個人の探究心が尊重される
こういった風土は、ITフリーランスにとって魅力的に映るでしょう。
また、そうした姿勢がチーム全体に自然と波及している環境では、スキルアップへの相乗効果が生まれます。ITフリーランスにとっても、自身の成長機会や共に刺激し合える仲間がいるかどうかを、見極める重要なポイントとなります。


意見の言いやすさ・議論の深さ
自由に意見を出せるか、議論が深く行われているかも、心理的安全性や学びの風土を知るうえで重要です。「誰でも自由に提案できるアイデアソンやハッカソンが、定期的に開催されている」などは具体的な例となり、ITフリーランスに伝わります。
建設的な議論ができる環境は、チームの成長と個人の活躍を支える土台となります。ITフリーランスにとっても、自らの知見を活かせる環境かを見極める際の大きな判断材料となるでしょう。
このような複数の観点から、エンジニアは表層の言葉よりも「行動と雰囲気の裏付け」を重視しています。

カルチャーを伝える5つの打ち手

ITフリーランスに対し、
情報を整理し構造的に発信することが採用成功のカギとなります。自社カルチャーをITフリーランスにどう伝えるか、5つの視点から解説します。


① 求人票に「行動レベル」で落とし込む
求人票に企業カルチャーを記載する際は、実際の職場でどのような行動に現れているかを具体的に示すことが重要です。


たとえば「挑戦できます」と掲げるだけでなく「バグが発生した際に個人を責めるのではなく、チーム全体で原因を分析し、再発防止策を議論する」あるいは「失敗も振り返りの対象として歓迎される」など実際に行われている具体例を挙げましょう。ITフリーランスが入社後の働き方を具体的に想像しやすくなります。


② 面談で現場メンバーと直接話せる場を設ける
面談で現場エンジニアと直接会話できる機会を設けることも有効な手段です。


人事だけでなく現場メンバーの声を聞くことで、ITフリーランスは入社後の姿をより明確に思い描けます。また面談時には、現場メンバーから具体的なプロジェクトの進め方やチーム内の課題、成功事例などを話してもらう時間を設けることが効果的です。チームの雰囲気や技術スタンスを伝えることで相互理解が深まり、カルチャーフィットの確認にもつながります。


③ 組織の“未整備さ”も素直に伝える
完璧な環境は存在しません。「開発フローはまだ整備中です」など、課題共有が共感を生むこともあります。その際どのような課題があり、現在どのように改善に取り組んでいるのかを具体的に伝えましょう。ITフリーランスが課題解決に貢献できる可能性を感じ、入社への意欲を高めることにもつながります。成長途上にある組織では、仕組みやプロセスが整いきっていない部分もあるのが実情です。


自社の利点だけではなく負の部分も伝えることで、ITフリーランスからの信頼を得られます。また改善に関与できる可能性とともに、挑戦できる余地を見出します。透明性の高い採用活動は、カルチャーフィットの理解を深める要素となります。


④ スカウト・SNS・ブログなどで日常を“断片的に”発信
働くシーンやSlackの会話、日報などは「そのまま」の言葉が届きます。そういった開発現場のリアルな雰囲気をSNSやブログで都度発信することも、企業カルチャーを自然に伝える有効な手段です。
リアルな情報は共感を生み、採用ターゲットとの距離を縮める効果があります。特に華やかな実績だけでなく、日々のやりとりや開発風景などを小さなエピソードとして発信することが大切です。ITフリーランスが“自分ごと”として企業を捉えるきっかけになります。


⑤ 理念ではなく「行動基準」として言語化する
抽象的な理念よりも、具体的な行動のルールを示すほうが、ITフリーランスに企業カルチャーを正確に伝えられます。
たとえば
・エラーが3回続いたら必ずレビュー依頼を出す
・分からないことで10分悩んだら誰かに聞く
・技術的な判断に迷ったらまずSlackの技術チャンネルで相談する
といった具体的な行動基準が示されているほうが、現場で何が期待されているかが明確になります。
こうしたルールは再現性のある行動としてチームに浸透しやすく、エンジニアにとっても働きやすさや納得感につながります。

成果につながった実際の企業事例

フリーランス人材では通常、即戦力としての期待値が高く、短期間での成果が求められます。しかしどれほどスキルがマッチしていても、カルチャーが合わなければパフォーマンスは出せません。場合によっては早期退職につながることもあります。
このセクションでは、当社およびクライアント企業における実際の成功事例をご紹介します。

企業のカルチャーを伝える成功事例

株式会社デイトナ・インターナショナル

セレクトショップ「FREAK'S STORE」などを展開するデイトナ・インターナショナル社は、ITフリーランスの活用において、企業文化を伝える上でギークスのコンサルタントが重要な役割を担っています。
取り組みの概要: ギークスのコンサルタントが、単にスキル要件だけでなく、企業の文化や魅力を言語化して候補者に伝えています。候補者の人柄に関する情報も共有し、企業文化に合った人材のマッチングを実現しています。
成功のポイント: 「一歩踏み込んだマッチング」により、企業の魅力を正確に伝え、フリーランスが働きやすい環境を築くことで、長期的な活躍に繋がっています。


事例記事はこちら

モビルス株式会社

顧客体験(CX)向上をミッションとするモビルス社では、「クオリティは80%でいいので、スピードを130%にする」という開発文化や、正社員とフリーランスが半々という多様性を重視したチーム体制が特徴です。


取り組みの概要: 雇用形態に関わらず、ITフリーランスにもフレックス制度や全社会議への参加機会を提供しています。また、ギークスが参画後のフォローアップとして、フリーランスの不安を解消するための面談を提案するなど、丁寧なサポートを行っています。
成功のポイント: 雇用形態による区別をなくすことで、フリーランスが会社の一員として働くモチベーションを高め、チームの一体感を醸成しています。また、外部サポートの活用も成功要因の一つです。


事例記事はこちら

フリーランス・即戦力採用でも「カルチャー伝達」は重要

フリーランス採用においても、企業は「カルチャー伝達」の重要性を見落としがちです。スキルや経験が豊富な即戦力人材であっても、企業文化や価値観にフィットしなければ、早期離脱やチーム内の摩擦を招くリスクがあります。


リモートワークやチャットツールなどでの非同期コミュニケーションが主流となる昨今、以前のように雑談や空気感から自然にカルチャーが伝わることは少なくなりました。いまや、意識的に言語化し、可視化しなければ伝わりにくい時代です。
技術選定やレビューの進め方、情報共有のスタイルは、フリーランスの働きやすさを大きく左右します。これらを求人概要やスカウト文面、SNS発信などを通じて“行動レベル”で伝えることで、ITフリーランスは自分がその環境で活躍できるかを具体的にイメージできます。


業務委託であっても、価値観を共有できるパートナーとして強固な関係を築くことは、プロジェクトの質やスピードに好ましい影響を与えます。たとえば「雇用形態で業務を区別されない環境が提供される」といったオープンなカルチャーを持つ企業は、エンジニアから選ばれやすい傾向にあります。積極的に発信していくと良いでしょう。
理念や業務内容だけではなく「どのような価値観の企業」であるのかを正確に伝えましょう。それが企業の魅力を高め、長期的な関係構築につながるのです。

企業カルチャーを明確に伝えて成功に繋げる採用活動へ

本記事では、エンジニア採用において見過ごすことのできない「企業カルチャー」の伝え方と、弊社におけるクライアント企業様との具体的な取り組み事例についてご紹介しました。採用活動において、参考にしていただければ幸いです。企業の透明性がますます向上し、ITフリーランスに対して実際の働き方やチームの価値観を適切に伝えることが可能となります。


その上でITフリーランスが企業カルチャーを十分に理解し、入社を検討することができれば、入社後のギャップが軽減し、離職率の低下にもつながります。また価値観の共有によってスムーズなチームビルディングが可能となり、活躍の場が広がることも期待できます。


このように、採用活動においてカルチャーを軸にした情報発信は、企業とITフリーランス双方にとって、持続的な信頼関係を築くための重要なステップとなります。今後も当社はこのような取り組みを支援し、より良い出会いを創出してまいります。


本件以外でもエンジニア採用に課題を感じている企業様や、エンジニア職の募集を検討している企業様は、ぜひご連絡いただけますと幸いです。


LP:https://geechs-job.com/client

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