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【実践ガイド】良いコードレビューをするには?観点ややり方について解説!

作成日:2025/04/25(金) TECH

【実践ガイド】良いコードレビューをするには?観点ややり方について解説!

突然ですが、コードレビューに悩んだことはないでしょうか?


ソフトウェア開発において「コードレビュー」は欠かすことのできないプロセスです。
実際の現場では「コードレビューに時間がかかりすぎる」 「どこまで指摘すれば良いのか分からない」 「レビューの指摘内容に一貫性がなく、メンバー間で摩擦が生じる」など、多くの課題が散見されるのも事実です。


本記事では、コードレビューの基本と重要性、その具体的な観点や効率的にレビューを進めるためのやり方、さらにレビューをする際の建設的なフィードバック方法や、チーム内でレビューの質を高めるために欠かせない自己研鑽について解説します。

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コードレビューの本質とは

まずは、コードレビューとは一体どういう行為なのか、そしてなぜ行う必要があるのかを整理しておきましょう。


コードレビューの基本

コードレビューは、プログラムのソースコードを作成した本人(レビュイー)ではなく、別のエンジニア(レビュアー)がチェックして、問題点や修正点、改善案などを共有するプロセスのことを指します。例えば新規機能を追加する際のプルリクエストで、ソースコードの差分をレビュアーが細かく確認し、「仕様を満たしているか」 「アルゴリズムは適切か」 「変数名や関数名が分かりやすいか」などといった幅広い観点で検証・フィードバックを行うのが典型的な流れです。


ソフトウェア開発の現場でも、ベテランでも初学者でも、コードを書くうえで多少の思い込みやケアレスミス、設計レベルの誤りなどをしてしまうことは珍しくありません。
そういった問題をプロジェクト全体に悪影響が及ぶ前に見つけるためにも、第三者によるチェックは大変重要です。
これによって、コード作成者の力量に依存せず、一定の品質を保ちやすくなります。そしてチーム内でお互いにレビューし合うことで、連携を強め、プロジェクト全体のコードの可読性や保守性も向上させる効果が期待できます。


コードレビューの目的

「可読性向上」
「システムの不具合防止」
「メンバー間の認識統一」
「スキル向上」


が挙げられますが、これはまさに多くの現場で実感されている通りでしょう。
ベテランの視点からすればバグにつながりそうなコードを早めに指摘できる一方、レビューされる側としては「どうすれば読みやすいコードになるか」 「どういった書き方が一般的か」といった具体的な学びを得ることができます。

なぜコードレビューが必要なのか

コードレビューが必要な理由としては、まずバグや不具合の早期発見が挙げられます。
実際に不具合が本番環境に混入してから修正するよりも、開発段階で指摘して修正する方がはるかにコストを抑えられます。誰しも自分の書いたコードが常に完璧ではないと理解していますが、実際にコードを書くと自分の意図に引きずられて客観的なチェックが難しくなる場面も少なくありません。


その点、他者の視点によって自分では気づきにくい癖やミスが明らかになりやすくなるでしょう。
また、品質担保だけでなく、チーム内の情報共有や連携の強化、相互学習の機会としても注目されています。
レビューすることで「この機能はどういう意図で実装されたのか」「なぜこの設計を選んだのか」という議論が自然に生まれ、メンバー全員がプロダクトへの理解を深めることにつながります。


さらに、プルリクエストの段階で積極的に他の開発者から意見を出すことで、仕様や要求に対する齟齬も減りやすくなるでしょう。

コードレビューがチームにもたらす価値

コードレビューがチームにもたらす価値は多岐にわたります。
上記のように品質向上、学習効果、チーム内コミュニケーション活性化などはもちろんのこと、開発者は「他人に見られる」と意識するため、自然と可読性・保守性を意識した実装を心がけるようになります。
これにより、プロジェクトが長期化した際にもソースコード全体の見通しが良く、追加実装や修正がしやすい状態を維持しやすくなるでしょう。


また、レビューの過程で得た知見をチーム内に蓄積することで、暗黙知を共有しやすくなります。「このシステムはこういった実装方針で書かれている」 「この部分は外部ライブラリを使うのが一般的だ」などというノウハウや運用ルールが自然に周知されるので、新しく参画したメンバーも開発スタイルを把握しやすくなります。
結果として、組織としての総合力が高まり、開発生産性向上にも直結するでしょう。

レビュアーとして求められる責任と心構え

コードレビューにおいて、レビュアーにはただ指摘をすればいいというわけではありません。レビュアーには大きく分けて「コード品質を担保する責任」「チームメンバーを尊重して建設的にコミュニケーションする責任」の二つが存在します。


前者には例えば次のような役割が含まれます。

  • バグや不具合の温床になりそうな箇所をきちんと見つけて指摘する
  • チームのコーディングルールや設計方針を守る方向へ誘導する
  • 本当に必要な修正かどうか、開発全体のスケジュールを加味して判断する

後者は、

  • 感情的に批判しない
  • 相手の意図を汲んだうえで丁寧に指摘し、改善案を提示する
  • 行き違いがあれば柔軟に話し合う

といった協調的な姿勢が必要です。


コードレビューではコードを批判するのであって、人を批判するわけではありません。
レビュアーが人格攻撃のように捉えられてしまうような発言をすると、相手は萎縮してしまい、建設的なやり取りが難しくなるでしょう。
コミュニケーションツール上のやり取りでは口調やニュアンスが伝わりにくいケースもあるため、配慮した言葉遣いを心がけたり、場合によっては口頭での説明を併用したりすることで、スムーズなレビューが可能になります。

コードレビューの具体的な観点

コードレビューでは、コードが動作するかどうかだけでなく、長期的に見た保守性や安全性、チーム全体の開発効率といった要素を確認する必要があります。
ここでは、特に押さえておきたい観点を3つに分けて紹介します。

機能面のチェック

最初に押さえるべきは、「仕様や設計要求を満たしているか」という点です。
仕様に対する誤解や抜け漏れがあれば、いくらコードが美しくても問題があります。
システムとして基本的な動作を満たしていなければ、リリース後に重大な不具合になるリスクが高まるため、優先的に確認すべきです。
また、エッジケース(まれに起こりうるイレギュラーな動作や脆弱性)への対応も見逃せない観点となります。
インターネット接続が不安定な場合の挙動や、権限のないユーザーが不正なリクエストを送った場合のふるまいなど、一見すると滅多に起きないような事例もしっかり検証したいところです。

技術な整合性と安全性

  • コードがチームのコーディングルールや設計方針に沿っているか
  • アルゴリズムやデータ構造が適切か、冗長な処理がないか
  • 命名規則やディレクトリ構造に違反していないか
  • 並列処理を扱うコードでデッドロックのリスクがないか、例外処理を適切に行っているか

これらのルールは保守性や可読性を維持するために設けられていることが多いので、レビュー段階で正しておくことが重要です。


特にセキュリティ面でのチェックも必要な場合は、SQLインジェクションやXSSなどへの対策がちゃんと組み込まれているか、ライブラリのバージョンに脆弱性はないかといった観点も必要でしょう。

可読性や保守性

中長期的に見て、コードを後から読む人が混乱しないかも大切な視点です。長過ぎる関数や重複した記述を放置すると、後々別のメンバーがメンテナンスするときに苦労する可能性が高いです。
DRY(Don’t Repeat Yourself)の原則に反してあちこちに似たような実装がある場合はまとめられないか検討するといったアプローチが必要になるでしょう。
命名が分かりづらい変数や関数が多いと、意図を理解するのに時間がかかるため、レビュー段階で適切な命名を提案するのも良い方法です。


さらに注意したいのはオーバーエンジニアリングのリスクについてです。単純な機能で十分に要件を満たすにも関わらず、過度に抽象化したり複雑な設計を入れてしまうと、それ自体が保守性を下げてしまうケースがあります。
常に開発スケジュールやプロダクトの規模・要件とのバランスを考慮して、保守しやすく拡張しやすいコードになっているかを検討するのが理想的です。

効率的なレビューの進め方

次に、具体的なレビュー手順や、時間管理・ツール活用などの観点から、レビューを円滑に進めるコツを見ていきましょう。


レビュー前の準備

レビューアーがまず行うべきは、仕様書や設計書などの関連資料を把握することです。レビュー対象のコードがどのような機能を実装するものなのか、変更の背景や前提条件は何かといった、いわば「全体像」の理解が欠かせません。
これを怠ると、仕様を満たしているかどうかさえ分からず、的外れな指摘しかできなくなります。事前準備として、プルリクエストの説明やコメント、あるいは紐づいているチケットをよく読むと良いでしょう。


また、レビューするコードの分量があまりに多い場合には、レビュー時間やレビュアーのリソースを踏まえてレビュー範囲を絞る判断が必要になることがあります。
作業効率を考え、頻繁に小さめのプルリクエストを送る運用ルールを設けるのも一つの手です。

レビューの手順

レビューを進めるにあたっては、ツールの使い方も大切です。
代表的なのはGitHubやGitLabなどに搭載されているプルリクエスト機能です。差分がひと目で分かるUIを活用しつつ、コメントを入れたい行に直接メッセージを残し、修正が必要な箇所についてやり取りを行います。
こうした仕組みを使えば、どこをどのように変えたのかが履歴として残り、後から別のメンバーが参照することも可能です。

時間管理

コードレビューは有意義である反面、やり方次第ではレビュー工数が肥大化し、スケジュールを圧迫することもあります。
レビューのゴールや優先順位を明確に設定するのが重要です。
たとえば、データベーススキーマの変更や大規模なリファクタリングの有無など、後で修正が難しい箇所を中心に見るとか、逆にUI面の細かいズレのように後から修正しやすいものは低優先度にする、といった工夫が考えられます。


また、タスク管理ツールなどを活用して、

  • 一人のレビュアーが過剰に多くのプルリクエストを抱え込まないようにする
  • 常に複数人が確認できる体制を整えておく

といった取り決めも重要です。
大規模なチームであれば、ロールを分担して「仕様面を見る人」「可読性やリファクタリング面を主に見る人」といった方法を取る場合もあるでしょう。

レビューツールの使い方

先にも述べたGitHubのプルリクエスト機能は、レビュー対象となるコードの差分と、コメントを付けたい行を簡単に指定できるインターフェイスを備えています。
また、レビュアーに割り当てられた人がどこまで確認を終えたかをステータスとして記録できるので、共同開発の場では必須の機能といえます。


企業によってはSlackなどのコミュニケーションツールと連携し、プルリクエストが出されたら自動で通知が届くように設定している場合もあります。コメントの返信やステータスの更新もトリガーにして通知を飛ばすことで、レビュイーがすぐに気づきやすくなり、スムーズにやり取りが進みます。


さらには、AIを活用したレビュー支援ツール(Amazon CodeGuruなど)を導入するケースも近年増えています。機械学習モデルがバグの可能性やパフォーマンス上のリスクを検出してくれるため、人的リソースを節約し、より本質的なレビューに集中できるのが魅力です。
ただし、まだまだ完璧ではないため、仕様の理解や設計レベルの判断は人間が行う必要があります。

フィードバックの方法、基本原則

コードレビューには大きく分けて、レビューアーがレビューイーに対してコメントを残すテキストコミュニケーションと、対面やビデオ会議などで行う口頭のやり取りがあります。
どちらであっても、指摘の仕方や言葉選びは非常に重要で、建設的なコミュニケーションを心がけることでチーム全体の士気を高めることができます。

具体的な指摘

レビューする際に抽象的な表現で「ここがダメです」などと書くのではなく、なぜ問題なのか、どのように直すべきかをはっきり伝える方が改善がスムーズになります。
たとえば
「このif文はネストが深いので可読性が落ちており、あとからの拡張でバグが発生しやすいリスクがあります。処理を関数化するか、早期returnを使う形に変更すると読みやすくなると思います」
といった具体的な指摘をするのが望ましいでしょう。

根拠の提示

根拠を提示するメリットは、レビュイーが納得感を得やすい点にあります。
単に「こう書いてほしい」という指摘を受けても「なぜそうしないといけないのか分からない」と思われれば、レビュイーがやる気を失ってしまったり、別の場面で同じミスを繰り返してしまったりする可能性が高まります。
根拠を示すことで、その書き方のメリットや背景が伝わり、レビュイー自身も「なるほど、こういう根拠があるなら直しておいた方が良さそうだ」と理解しやすくなるのです。

改善案の提案

指摘するだけではなく、どう直せば良いかの具体例を提示するのも、相手の作業時間を短縮するうえで効果的です。


レビューアーが「この書き方だともっとシンプルに書けますよ」という例や、既存のライブラリを使う方法などを示してあげることで、レビュイーの学習効率もアップし、すぐに修正が行えるようになります。


ただし、あまり過度に書き手のコードを「自分の作法」に寄せすぎると、コードに対する所有意識を失わせてしまうリスクもあります。あくまでも「提案」として示し、最終判断はレビュイーに委ねるバランスが理想です。

コミュニケーションの工夫

コミュニケーションツール上での文章は意図に反して冷たく受け取られてしまうことがあります。


レビュアーの悪意がなくても、定型文だけで書くと刺々しく感じられてしまうこともあるので、絵文字を添えたり、「〜はいかがでしょうか?」といった柔らかい表現を混ぜるなど、適度に工夫をすると、摩擦を減らせます。


また、テキストだけでは誤解が生じそうな複雑な箇所は、オンライン会議や口頭で説明するのもおすすめです。
「テキストコミュニケーション」と「口頭コミュニケーション」の使い分けをすることで効率よく意図を伝えられ、チーム内の良好な関係を保ちやすくなります。

議論の進め方

議論が白熱して意見が分かれた場合は、プロダクトの優先度やチームのコンセンサスを思い出しましょう。


たとえば、リリースが迫っているなら、まずはコアのバグ修正や機能実装を優先し、細かいリファクタリングは後回しにするという判断があり得ます。


何をレビューの目的とするかがチーム内でしっかり共有されていれば、不要な対立を避けやすくなります。
もちろん、相手への人格攻撃や見下すような態度は厳禁です。自分と違う書き方があるのは自然なことなので、「どうしてそのように書いたのか」を質問して背景を理解することが大切です。
レビュイーが思いも寄らない事情でそう書いた可能性もありますし、意図を確認すれば納得できるケースも珍しくありません。

レビュースキル向上のためには自己研鑽が不可欠

コードレビューを行う側は、レビューイーにアドバイスを与えるだけでなく、自分自身のスキルも常にアップデートし続ける必要があります。
知識や視点が古いままでは適切な指摘ができず、逆に誤った方向へ相手を誘導しかねないからです。また、レビューに慣れていない新人がレビュアーとなることもありますが、それも十分に学びの機会となります。レビューというプロセス自体が、知識の再確認や新たな気づきの場でもあるからです。


プログラミング言語やフレームワーク、ツールは絶えず更新されます。
新たなバージョンで記述が簡略化されたり、より安全な実装ができる方法が追加されたりしている場合もあるでしょう。最新の文法やライブラリの特徴を把握していないと、古い慣習を押し付けてしまい、逆効果になることもあるため、定期的に勉強会や書籍、技術ブログなどを通して情報をアップデートすることが大切です。


また、レビューが一通り完了した後に、何がうまくいって何がうまくいかなかったか、振り返りの時間を設けるのも有意義です。
大きなプロジェクトの場合なら、スプリントの最後にレトロスペクティブ(振り返り会)を開き、レビューで生じた問題や良かった点などを共有するとチーム全体の成熟度が高まるでしょう。


ここで挙げられた課題を次のスプリントでどう改善するか、具体的なアクションプランを考え、取り組むことで少しずつコードレビューのスキルが向上していきます。


スキルには技術などのハードスキルと個人のパーソナリティなどのソフトスキルがあり、どちらも磨いていくことがエンジニアとしての市場価値を高めていく助けとなります。


エンジニアとして羽ばたきたいなら、ITフリーランスを経験し、多くの現場を知ることがおすすめです。ギークスジョブはITフリーランス特化エージェントなので、安心して現場で働くことができます。


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