DevSecOpsとは?
企業や組織のDX化が進み、デジタルに対する依存度や影響度が日に日に大きくなっています。それは、システムの崩壊や重大なエラーなどが一度起これば、インフラやビジネスが一気に崩壊してしまうことを意味しています。
システムは作るだけではなく、運用とセキュリティを常に考える必要があり、そこで登場したのが、DevSecOps(デブセックオプス)です。
DevSecOpsの知識を深めることは、今後重要な開発スキームやリテラシーを身に付け、よりトレンドに沿ったエンジニアへ成長することに繋がります。今回は、DevSecOpsの概要やメリット、デメリット、将来性などについて解説していきます。
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DevSecOpsとは
DevSecOpsとは、開発を意味するDevelopment、セキュリティを意味するSecurity、運用を意味するOperationsを組み合わせた言葉です。従来のDevOps(Development and Operations)のアプローチにセキュリティを組み込んだものになります。
開発、運用、セキュリティを密に連携させるプロジェクトのスタイルであり、DevOpsで開発後に実施していたセキュリティ対策を前倒しで実施します。
DevSecOpsが必要になった背景
DevSecOpsが誕生した背景は、一言で言えば時代がDevSecOpsを求めるようになったからです。
VUCA(Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguity)の時代と呼ばれる現代では、時代に常に合わせたシステムを作るために、すべての工程に関して迅速かつ柔軟に対応する必要があります。企業や組織のDX化が進むことは、デジタルに対する依存度や影響度が大きくなっていることを意味します。また、SNSを含むゼロリスク志向などから、企業のミスなどが一気に拡散し、大きな損失を与える時代になりました。
DXにおいて注目されたDevOpsとアジャイル開発は、セキュリティ対策が疎かになり、頻繁に発生するリリースの度に脆弱性テストを行うことで工数が増えるという問題もあります。
また、VARONISの記事によると、2023年の平均的なデータ侵害コストは445万米ドルで、過去3年間で15%増加しており、サイバー攻撃の増加に対応した開発を行う必要性も高まっています。加えて、近年はAIを利用した開発も進んでいます。AIによる開発は便利な反面、セキュリティの側面から言えば、AI生成コードによってセキュリティの脆弱性が増加する可能性があります。
設計の段階からセキュリティを意識しつつ、ソフト開発のプロセスをスピードアップする方法が必要になり、DevSecOpsが誕生し、重宝されるようになりました。
DevSecOpsのメリット
DevSecOpsの最大のメリットは、開発プロセスのすべての段階ですべてのコードをセキュアに保つことができる点だと言えます。
そして、すべてのフェーズでセキュリティを意識するようになり、開発チームのセキュリティに対する意識が高まる点もメリットと言えます。チーム全体でセキュリティに対する責任や対策を共有することができ、メンバー間のコミットメントが強化されます。
開発環境によって、セキュリティトラブルに対処するプロセスを短縮することができれば、時間とコストを節約できます。DevSecOpsの環境下では、他の環境よりもシステムを容易に修正できる体制が整っており、検知したセキュリティリスクを都度修正することで手戻りを最小化し、開発の生産性を向上させることができます。
DevSecOpsのデメリット
DevSecOpsのデメリットとしては、チーム全体に高速なセキュリティ対策の適用が求められるという点があります。DevSecOpsの開発環境を整備することのハードルが高く、最適なテストツールの導入の必要性もあります。仮に不適切なテストツールを導入した場合、脆弱性や脅威を検知できずに、セキュリティの品質を満たせなくなってしまいます。
セキュリティに対する意識の高いチームやプロジェクトを作るには、セキュリティ担当が社内の技術者であるべきという意見も存在します。しかし日本の開発現場では、外製化が進み社内技術者が少なくなってきています。こうした日本の環境では、DevSecOpsが最適な手段かどうかは問題もあります。
DevSecOpsの将来性
DevSecOps市場規模は2022年に44億米ドル*¹と評価され、2023年から2032年にかけて22%のCAGRで成長すると予想されています。
このことから、DevSecOpsの将来性は非常に高いと言えるでしょう。ただし、品質が高く、迅速なDevSecOpsを実現する土壌を整えられるか否かが、日本国内でのDevSecOpsの将来性を大きく変えると言えます。
優れたDevSecOpsエンジニアになるには
優れたDevSecOpsエンジニアになるためには「セキュリティへの意識を高めること」この1点に尽きます。セキュリティを本当に重要だと認知し、積極的に知識を深め、セキュリティに対する事象への解像度を高めることで、安全なコードを書き、高いパフォーマンスが発揮できるようになるからです。
また、メンバーと積極的に関係構築をするマインドも必要になります。DevSecOpsは、横断的に別のチームと技術を統合し、コラボレーションを行うため、様々な関係者と継続的に良好な関係を築く力も求められます。
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DXブームで注目を集めたアジャイル開発から、さらにアップデートされたDevSecOps。アプリケーションやソフトフェアに関するセキュリティの重要性はこれからますます高まるばかりです。今後はプロジェクトにおけるリリースのハードルも非常に高くなり、セキュリティの意識が高いエンジニアのニーズが増えていくことでしょう。セキュリティという分野に対して、エンジニアがどのような向き合い方をするかで、得られるキャリアも大きく変化すると言えます。
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