リバースエンジニアリングとは?概要やメリット、技術盗用の防止策などについてわかりやすく解説

リバースエンジニアリング(Reverse Engineering)とは、既存の製品やシステムを解析して、その仕組みや設計を明らかにする開発手法のことを指します。
この手法の本質は、ソフトウェアならプログラムのコードを解析し、人間が理解できる形に戻すことです。ハードウェアならば、製品を分解して部品や内部構造を調べるなどの、「完成品を元に戻す」ことにあります。
この技術は、一見すると「既存の他社製品の真似をする」 「模倣を助長する」というイメージを抱かれるかもしれません。
しかし、実際には単なるコピーではなく、既存の知識を基に新たな価値を生み出すためのソリューションと言うことができるでしょう。たとえば、スマートフォンのカメラ性能が年々向上しているのも、他社製品を分析しつつ、自社の独自技術を組み合わせた結果です。
リバースエンジニアリングが特に重要視されるのは、IT・製造業・自動車産業・医療機器開発などの、競争が激しい業界や分野です。
たとえば、医療分野では、特許が切れた医療機器を解析し、より低コストで製造できる技術で開発することで、医療の現場でのコスト削減に貢献しています。
セキュリティ分野でも、この技術は欠かせません。最近では、AIを活用したセキュリティ技術にもリバースエンジニアリングの手法が応用されています。
たとえば、ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)のようなサイバー攻撃に対抗するために、専門家がマルウェアを分解し、その挙動を解析することで防御策を構築します。
本記事では、リバースエンジニアリングのメリットやハードウェアおよびソフトウェアの違い、技術盗用を防ぐポイントについて解説します。
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リバースエンジニアリングのメリット
リバースエンジニアリングが注目される理由の一つは、その圧倒的な効率性にあります。
ただ「既存のものを調べて現行のシステムに反映するだけ」で終わるわけではなく、それを基にして新たなイノベーションを生み出せる点が最大の魅力です。
リバースエンジニアリングのメリットとしては、開発期間を短縮できることと、開発コストを削減できること、そしてより良い製品づくりが可能になることが挙げられます。
開発期間を短縮できる
製品開発では、スピードが重要な競争要因となります。
その時の市場が求めるものをいかに早く届けられるかが、事業の明暗を分けるポイントになります。
しかし、ゼロから製品を作るには膨大な時間がかかります。
ここでリバースエンジニアリングを用いて、既存製品を解析して得られた情報を基に新たなサービスを開始すれば、試作やテストの回数を大幅に減らすことができます。
たとえば、自動車業界では、新しい車種を開発する際に競合メーカーのエンジンの構造やサスペンションの仕組みを徹底的に分解・分析しています。その分解・分析して得られた結果をもとに、新しい技術やコストダウンのアイデアを編み出しています。
開発コストを削減できる
また、リバースエンジニアリングはコスト削減の効果があります。
製品開発には試作・テスト・改良の繰り返しが必要ですが、ここでリバースエンジニアリングを用いることによってこれらのプロセスの効率化が図れます。
特に、材料の選定や製造工程の見直しにおいて、既存の成功事例を参考にすることで、無駄を省くことが可能です。
スマートフォン業界では、特定の技術を持つ他社製品を解析することで、似たような性能を低コストで実現する方法を模索することが一般的です。
より良い製品づくりが可能になる
リバースエンジニアリングは単なるコスト削減や時間短縮にとどまらず、製品そのもののクオリティ向上にもつながります。
他社製品を解析することで、その製品の長所や短所を深く理解し、それを礎として自社製品のさらなる改良・新たな付加価値の掘り下げが期待できます。
家電業界ではエアコンの省エネ性能を向上させるために、リバースエンジニアリングを用いることによって、競合製品の動作原理や素材を分析し、それを超える性能を持つ製品を開発するケースが多く見られます。
リバースエンジニアリングの方法
リバースエンジニアリングの方法は、解析対象の特性に応じて異なりますが、主にハードウェアとソフトウェアの2つに分かれます。
ハードウェアにおけるリバースエンジニアリング
ハードウェアにおけるリバースエンジニアリングは、主に対象製品を分解して構成部品を詳しく調査します。
たとえば、電子機器では回路基板を取り外し、使用されている部品や配線の配置を分析します。
また、CTスキャンや三次元測定機を用いた解析を行います。
これらの試みでは、製品を破壊せずに内部構造を調べることを旨としています。
MRI装置や人工関節といった医療に関わる精密機器では、CTスキャンを活用して内部構造を解析し、それに改良を加えることが多いです。
ソフトウェアにおけるリバースエンジニアリング
ソフトウェア解析では、逆アセンブルや逆コンパイルといった、バイナリコード(機械が理解できる形式のコード)を人間が読める形に戻し、プログラムの動作を解析する作業が行われます。
ゲーム業界では、競合他社のゲームエンジンの挙動を解析し、独自のゲームプレイ体験を生み出すヒントを得るケースがあります。
また、サイバーセキュリティの分野では、マルウェアの動作を解析することで、攻撃手法を特定し、それに対抗するためのセキュリティアップデートを作成します。
リバースエンジニアリングによる技術盗用を防ぐためのポイント
リバースエンジニアリングによって多くのメリットを享受できる一方で、同時に競合他社の知的財産や技術情報が盗用されるリスクを伴うことも事実です。
他社が自社製品を分解・解析して得た情報をもとに、知的財産を脅かす模倣品を作ったり、技術を不正利用するケースは少なくありません。
このような悪用リスクに耐えうるシステムを作るためには、ソースコードを難読化する、データ自体を暗号化するなどの対策を講じることがおすすめです。
ソースコードを難読化する
ソフトウェア製品におけるリバースエンジニアリングのリスクとして最も大きいのが、ソースコードの解析です。
ソースコードは、製品の設計思想や動作原理をそのまま表しているため、一度解析されてしまうと重要な情報がすべて漏れる可能性があります。
これに対抗する方法として、ソースコードの難読化が行われます。
難読化は、変数名や関数名を無意味な文字列に変える・コードの構造を複雑化するなどして、コードの可読性を意図的に低下させ、解析する際の手間を増大させます。
コードの解析が時間や労力のかかる作業になれば、攻撃者がコードを盗用しようとする試みから、製品を守ることができます。
最近では、難読化ツールを活用することで、手動で行うよりも効率的かつ高度な難読化が可能です。
難読化ツールを用いれば、製品の動作に影響を与えることなくアルゴリズムの挙動を変えずにコードを複雑化することができます。
しかし、最近ではIDA ProやGhidraなどのリバースエンジニアリングツールが開発されており、難読化の効果がやや薄れてしまう場合もあるため、より高次な難読化に励む必要に迫られています。
データ自体を暗号化する
また、ソフトウェアやハードウェアのどちらにおいても、データ自体の暗号化は、製品を悪用から守るために行うに足る、価値のある作業です。
たとえ解析者がデータにアクセスできたとしても、その内容が暗号化されていれば、解読には高度な技術と莫大な時間が必要となります。
特に、データの送受信時や保存時に暗号化を施すことがポイントとなります。
現在では、AES(Advanced Encryption Standard)やRSA(Rivest–Shamir–Adleman)といった強力な暗号化アルゴリズムが広く利用されています。また、暗号化キーを厳重に管理することで、データの安全性をさらに高めることができます。
金融業界では、取引データや顧客情報の保護に暗号化が欠かせません。
同様に、医療業界でも患者データの暗号化が義務化されているケースが増えています。
こうした分野の取り組みを参考に、自社の技術情報や製品データの保護に暗号化を導入することが推奨されます。
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リバースエンジニアリングは、市場の競争力を保つ一因ともなっていますが、他社製品の明確な盗用をすること・されることは御法度です。
他法律や契約条件によって許容範囲が異なるため、法的リスクを考慮する必要があります。
また、他社製品に自社製品を盗用されないためには、倫理的規範に頼るだけではなく、ソースコードの難読化やデータ自体の暗号化などの自己防衛策を講じることが重要です。
社会に大きな影響を与える製品ほど盗用する・されるリスクは高まるため、そのような大規模システムを扱うプロジェクトで働くことが、リバースエンジニアリングに対する意識も高まることに期待できます。
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