北欧はなぜIT先進国が多いと言われるのか?日本が参考にしたいIT教育
IT分野が活況な国と言えば、どこを思い浮かべるでしょうか?
最先端技術が集まるアメリカ・シリコンバレーは誰もが知る聖地ですが、実は北欧諸国もアメリカに匹敵するIT先進国として注目されています。なぜ、北欧諸国がIT先進国として評価されているのか、北欧諸国のIT事情、教育について解説していきます。
合わせて読みたい記事
世界における北欧諸国と日本の評価
IT先進国の評価の指標の一つに、IMD世界デジタル競争力ランキングがあります。このランキングは、デジタル技術を推進力として活用する能力と態勢を、国・地域ごとに測定、比較するものです。
2023年版では、首位にアメリカ、2位オランダ、3位シンガポールとなっています。2022年のランキングでは首位だったデンマークは4位となったものの、スウェーデン、フィンランドも10位以内に入るなど、北欧は安定して高い評価を得ています。
デジタルインフラやIT教育での先進性、政策でITを積極的に推進していること、デジタル技術が社会に浸透していることなどが評価されているようです。
日本は、技術的枠組みや科学的集積などの優位性を評価される一方で、ビジネスの俊敏性や規制の枠組み、人材が課題としてあげられており、総合32位と過去最低となっています。
なぜ北欧はITに強いのか?
では、なぜ北欧ではデジタルインフラやIT教育など、デジタル技術が社会に浸透しているのでしょうか。その背景には、北欧諸国に根付く起業文化や教育制度が関係しています。
私たちが日常生活で利用している北欧生まれのプロダクトをご紹介します。
フィンランド(Wolt)
Uber Eatsの競合、フードデリバリー事業のWoltはフィンランドで生まれたサービスです。現在はアメリカのDoorDashに買収されていますが、日本ではDoorDashよりも先行して展開していたため、現在でもWoltのブランドでサービス展開されています。
またフィンランドを代表する企業といえば、1990〜2000年代にかけて携帯電話業界で世界TOPを誇っていたNokiaが有名です。スマホの普及により携帯電話業は出遅れ失速してしまいましたが、このNokiaの失敗から、失敗や挫折を成長の当然の過程として捉える起業文化がフィンランドには根付いていると言われています。
スウェーデン(Spotify・Minecraft)
スウェーデン発のサービスといえば、音楽ストリーミングサービスのSpotifyが有名です。2008年にサービスが開始され、2024年には月間アクティブユーザー数が6億人*¹を超える世界最大手のサービスになっています。
また、MinecraftもスウェーデンのMojang Studiosによって開発されたゲームです。Minecraftは、教育分野でもプログラミング、英語学習の教材として使用され世界で高く評価されています。
どちらも世界中の人々の日常の一つとなっているサービスですが、誕生の地は人口1,000万人のスウェーデンです。
デンマーク(Unity)
現在はサンフランシスコに拠点を置いていますが、ゲーム開発エンジンのUnityは、デンマークのOver the Edge Entertainmentが2005年に公開したものです。2007年には社名がUnity Technologiesに変更されましたが、ゲーム業界の枠を広げたUnityは、デンマークの技術力と創造力を象徴する存在と言われています。
エストニア(Skype)
エストニアのスタートアップといえば、Skypeが有名です。Skypeはスウェーデン人とデンマーク人が創業者ですが、エストニアの首都タリンがSkypeの開発に利用され、創業者とともに開発していた設立メンバーがエストニア人だったことから、Skypeはエストニアで生まれたサービスと言われています。
またエストニアは、世界最先端の「デジタル国家」としても有名です。
行政サービスが24時間365日利用可能で、結婚・離婚手続き以外は全てオンラインで完結できることからも、デジタル化が国民の日常に浸透していることは明らかです。
また電子住民「e-Residency」の仕組みで、国籍や居住地に関係なく誰でもエストニアの電子住民になることができる制度があります。エストニアで起業することでEU規制でのビジネス展開ができるといったメリットから、2024年現在で8万人以上*²の電子住民が存在しています。
このように、日本でも誰もが知るようなプロダクトが、北欧の各国では多数誕生しています。この成功の背景には、教育システムや政府の積極的な支援、そしてオープンな社会の文化など、まさに日本が課題とされている点に違いがあるようです。
日本と北欧のIT教育の違い
北欧諸国では、IT教育が初等教育から導入されており、幼い頃からプログラミングやデジタル技術に触れる機会があります。
日本でも、近年ようやくプログラミングが義務教育に取り入れられ始めましたが、フィンランドでは、2016年からプログラミングが必修科目となっています。
またフィンランドでは、クロスカリキュラムを重視した教育が行われていて、教科の垣根がありません。一つの課題に対して、複数の科目を紐づけて学ぶようなカリキュラムが組まれています。それにより、単なる技術の習得にとどまらず、論理的思考の育成や問題解決など、ITを活用したクリエイティブな思考を学ぶことができます。実際のビジネスや社会で活用できるようなスキルを学校教育から身につけることができるように考えられているのです。
それと比較すると、日本では「GIGAスクール構想」により、PC/タブレットを1人に1台支給してはいるものの、実際の教育内容では遅れをとっていると言えます。支給されたパソコンでは教員の許可した使い方のみに制限をされたり、プログラミングの授業ができる教員の不足などが課題にあるようです。
また、エストニアの例にも挙げた通り、北欧では政策や社会インフラなどへのITの活用も進んでいて、日常生活に溶け込んでいます。
学校教育以外の日常生活における違いも、ITリテラシーの向上には関係しているでしょう。
モダンな環境でスキルアップを目指すならギークスジョブへ
北欧諸国の成功は、ただ単に教育や政策によるものだけではありません。
自ら学び、創造力を発揮する文化が強く根付いていることも大きな要因です。北欧には、起業しやすい環境や文化があり「Slush」をはじめとするスタートアップイベントも活発です。
日本が世界と肩を並べる存在になるには、北欧のカルチャーから世界で通用する技術力やイノベーションマインドを学び、ポジティブに挑戦できる文化を作ることも必要でしょう。
だからこそ、IT人材には個々のスキルアップが重要です。レガシーな環境に危機感を感じている方は、ぜひギークスジョブへご相談ください。ご希望の条件や、スキルアップにつながる案件探しからサポートさせていただきます。まずは無料登録をお待ちしております。
▽ 無料登録(エントリー)はこちら
https://geechs-job.com/entry
まだフリーランスになることに迷いがある方へは、独立のご相談から承ります。これまでのご経歴やキャリアの目標をお伺いしながら、お一人おひとりに寄り添ったキャリアプランのご提案をいたします。
▽ 独立相談会への無料エントリーはこちら
東京:https://geechs-job.com/event/details/1
大阪:https://geechs-job.com/event/details/2
福岡:https://geechs-job.com/event/details/3
名古屋:https://geechs-job.com/event/details/189
その他のおすすめ記事
ITフリーランスはノマドワーカーとして海外で仕事できるのか?|ITフリーランスをサポートするギークスジョブ
ITフリーランスの方のための『お役立ち情報』をご紹介しています。この情報のテーマはITフリーランスはノマドワーカーとして海外で仕事できるのか?です。geechs job(ギークスジョブ)では、「フリーに生きる」ためのノウハウをご紹介し、ご希望のキャリアやライフプランを実現できるように、サポート致します!
ITフリーランスの案件探しならgeechs job
IT業界・企業情報の専門知識を持ったコーディネーターが、あなたに合う案件をご紹介。
ITエンジニアとしてのキャリアに弾みを付けませんか?
- ・独立して新しいキャリアを築きたい
- ・スキルを磨いて、更なる高みを目指したい
- ・今よりも高い報酬を
ITフリーランスエージェントのgeechs jobが、あなたの未来に向けて伴走します。