フリーランスと会社員どっちがいい?年収・働き方の違いとは?
エンジニアとしてある程度のキャリアを重ねると、今後の働き方を検討する方も多いでしょう。安定した雇用や福利厚生を選ぶのか、それともフリーランスとして自由度の高い働き方と高報酬を目指すのか、この選択があなたの今後のキャリアを大きく左右します。
現在IT分野では慢性的な人材不足を背景に、フリーランスという働き方が一般化し、企業側も採用の在り方を見直す動きが加速する状況が続いています。
そのため本記事では、両者の違いや向き不向きを整理しながら、自分に合った働き方を見極めるための視点を掘り下げていきます。
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そもそもフリーランスと会社員の違いとは?
会社員とフリーランスでは契約形態や待遇が根本的に異なります。それぞれの特徴を正しく理解することが、働き方を選ぶ上での第一歩です。
会社員として働く場合、企業と雇用契約を結びます。一般的に、固定給による安定した収入を得ることができ、社会保険や厚生年金、有給休暇、福利厚生など、生活面の安心を支える制度が整っているのが特徴です。また、社内の研修制度や評価制度によって、キャリア形成がサポートされる環境が整っている点もメリットです。
一方、フリーランスは企業と業務委託契約を結んで仕事を受託します。
報酬は案件ごとの合意によって支払われるため、内容や稼働時間によって金額が変動します。健康保険や年金、税務手続きなどはすべて自分で対応する必要がありますが、働く場所や時間、取り組む案件を自分で選べる自由度の高さが魅力です。自分のスキルや志向に応じたキャリア設計が可能であり、報酬も自身の実績と交渉次第で大きく伸ばすことができます。
年収のリアル:どちらが稼げるのか?
会社員でフリーランスへ転向することを考える上で、もっとも考慮する点は年収ではないでしょうか。このセクションでは、実際のフリーランスと会社員の年収を比較します。どちらが収入を上げられるのか、具体的に見ていきましょう。
フリーランスITエンジニアの平均年収
まずは、フリーランスの年収から見ていきます。当社による2024年度調査では、ITエンジニアの全拠点平均年収は854万円です。地域別では以下のような結果が出ています。
・全拠点平均年収:854万円
・関東平均年収:901万円
・関西平均年収:730万円
・福岡平均年収:682万円
このデータからもわかるように、関東圏では平均年収が900万円を超えており、全国的にも突出した水準です。関東圏には大手企業やスタートアップが集中しており、高単価の案件が豊富に存在することが背景にあります。
なお、リモートワークの普及により、地方在住でも関東の案件に参画できるケースが増えているため、地域による年収格差は徐々に縮小傾向にあるとも言われています。
関西や福岡などの地方都市でも、生活コストとのバランスを考えると十分に魅力的な働き方が可能です。
会社員ITエンジニアの平均年収
一方で会社員ITエンジニアの平均年収は、約300万円〜500万円程度が一般的です。もちろん企業規模や職種、経験年数によって差はありますが、フリーランスと比較すると年収面では控えめな傾向があります。
とはいえ収入の安定性や福利厚生など、会社員には多様なメリットがあり、長期的な生活の安定と将来設計に寄与します。昇給制度により継続的な収入増が期待でき、賞与は成果や業績に応じた臨時収入となります。退職金制度は老後の備えとして安心材料となり、総合的な生活基盤の強化につながります。
労働時間と働き方の柔軟性
フリーランスと会社員、どちらの働き方が自分に合っているのか、その判断材料として「労働時間」や「働き方の自由度」は見逃せません。この項目では、実際の稼働時間やリモートワークの実態を比較しながら、働き方の柔軟性について掘り下げていきます。
平均稼働時間の違い
勤務形態は、会社員とフリーランスで大きく異なります。まず会社員の平均的な勤務時間は週5日・1日8時間が基本で、月間では約160時間が標準的な稼働時間とされています。これに加えて、プロジェクトの進行状況や納期、仕様変更などの影響により、月20〜40時間の残業が発生するケースも少なくありません。
一方でフリーランスは、働き方に柔軟性があるのが特徴です。週2〜3日の稼働から週5日フルタイムまで、幅広い働き方をライフスタイルや収入目標に応じて選択できます。
2025年のフリーランス白書によると、月間稼働時間は「100〜140時間未満」が約19.2%、「140〜200時間未満」が約33.7%、「200時間以上」が約13.4%を占めており、個人によって稼働時間の幅は大きく異なります。
参考:フリーランス白書2025
またフリーランスには労働基準法の適用がないため、稼働時間は自身で管理する必要があります。会社員に見られるような「残業」という概念は存在せず、納期や案件内容によって必要な稼働時間が変動するため、作業時間を柔軟に調整することが可能です。ただし、常駐型の案件に関わる場合は、現場の稼働時間とあわせて160時間前後の稼働となるケースがあります。
このように、会社員とフリーランスでは平均稼働時間や働き方の自由度に大きな違いがあります。会社員は安定した勤務時間と給与体系を持つ一方で、フリーランスは自由度が高く、自分のライフスタイルやキャリアプランに合わせた働き方が可能です。それぞれの特徴を理解し、自身にとって最適な働き方を選択することが、長期的な満足と生産性の向上につながるでしょう。
残業時間とワークライフバランス
会社員は、プロジェクトの進行や社内の調整などにより月20〜40時間前後の残業が発生することも珍しくありません。納期前には、急な業務追加や会議対応が入ることもあり、プライベートとのバランスが難しくなるケースもあります。
一方フリーランスは、自分でスケジュールを組み、業務量を調整しやすい傾向があります。もちろん、納期やクライアントとの契約を守る責任はありますが「夜にまとめて作業する」「週末をフルに使って平日は半日だけ稼働する」など、取り決め次第では柔軟に働くことも可能です。また業務委託契約には「残業」という概念ではなく、プロジェクト単位の稼働という発想で動いているため「働かされる」感覚が少なく、自律的な働き方が実現しやすいです。
リモートワークの実態
働き方の柔軟性という観点では、リモートワークが可能であるかを重要視される方も多いでしょう。移動時間の削減による生産性の向上や、家庭環境に応じた働き方の選択が可能になるのは大きなメリットです。
国土交通省の「令和6年度テレワーク人口実態調査」によると、フリーランス(自営型)は27.9%がテレワークを実施しており、会社員(雇用型)の24.6%よりも高い割合となっています。
参考:国土交通省【調査結果】テレワークの普及度合いと実施実態
当社の2024年度調査では、ITフリーランスを対象とする案件のうちリモートワークが可能なものは82%以上を占めています。場所に縛られずに働ける自由度の高さは、フリーランスという働き方の大きな魅力のひとつと言えるでしょう。
一方で、2023年度の調査ではこの数値が88%だったことから、リモート可能な案件の割合はやや減少傾向にあります。背景には、「出社回帰」の流れがあると見られており、企業側も一部業務においては対面でのコミュニケーションや現場対応を重視する傾向が強まっているのが実情です。
最近では、リモートワーク可の案件であっても、以下のような条件が付くケースが増えています。
- 週1回のクライアント訪問が必要
- キックオフや中間報告時に一部現場対応あり
- チーム体制の関係で、顧客先へ一時的に常駐する必要がある
こうした背景もあり、「完全リモートで働きたい」と考えている場合は、案件内容をより丁寧に見極めることが大切です。
キャリアパスとスキルアップの現実
会社員は、マネージャーや専門職といった役職を通じて安定的な成長が見込めます。一方、フリーランスにおいては、年数よりも「実力」と「実績」が評価の基準となり、スキルこそが継続の鍵となります。年齢に関係なく成果が評価される環境が整っている点は大きな魅力です。
フリーランスを選択する理由としては「自身の能力や資格を最大限に活かしたい」「裁量を持って仕事を進めたい」「働く時間や場所を自由にしたい」といったものが多く、自律性と専門性を重視する傾向が強く見られますが、フリーランスとして長期的に活躍するためには、「継続的学習」が不可欠です。
市場ニーズに応じたスキルのアップデートや、専門性を高めようとする意識が、案件獲得や報酬アップに直結します。特に技術革新のスピードが速いエンジニアの分野では、学び続けることが競争力を維持する鍵となります。
学習意欲があり、高いモチベーションを保ち続けられる方こそ、フリーランスに向いていると言えるでしょう。
安定性・福利厚生
会社員は「守られる働き方」ができる一方で、働き方や報酬そして時間の自由度には制約があります。
安定を重視する方には、フリーランスよりも会社員の働き方が合う場合もあります。フリーランスは、業務内容から働く場所・時間に至るまで、すべてを自身の裁量で選択できる自由があります。働き方も報酬も自分自身の選択次第です。近年ではフリーランス保護法の新設や共済制度の整備が進んでおり、制度面での不安も徐々に解消されつつあります。
エージェント活用によるフリーランスでも「安定性」の確保
フリーランスとして働きながらも、エージェントに登録することで、一定の安定性や福利厚生サービスを得ることが可能となります。例えば、当社が提供する「フリノベ」という福利厚生の制度では、会計ソフトの提供や健康診断、学習支援など多様なサービスがあり、登録無料で利用可能となっています。
また、ギークスジョブでは案件獲得の営業支援を行っているため、案件が欲しいタイミングで紹介してもらえるというメリットがあります。会社員と違い、安定が保証されていないフリーランスですが、ギークスジョブに登録することで、案件を切らさないように活動することが可能となります。
当社の調査によると、営業支援を受けた人材が案件に成約するまでの営業日数は以下のとおりです。「3日以内」が17%、「4~5日」が8%、最も割合が多い「6~10日」が21%、続いて「11~15日」が15%となっています。「16~20日」の成約は9%、そして「21日以上」が30%となっております。
約60%の方が15日以内に成約できており、案件の獲得までのスピード感も一定の安定性につながっています。
さらに「ギークス案件倍率レポート」によると、IT市場におけるフリーランスの需要は高水準で推移しており、特に2025年4〜6月の四半期累計では8.01倍とされています。これは、フリーランスにとって案件選定の自由度が広がると同時に、安定して案件を確保できる土壌が整っていることを意味します。
自分に合った働き方を見つける3つの方法
①スキル・経験・性格から自己分析
フリーランスという働き方に前向きな関心を持ったとき、最初に取り組んでおきたいのが「自己分析」です。独立後のキャリアを左右する土台となるため、今の自分を正しく理解し、どのような働き方が最も自分にフィットするのかを整理しておくことが重要です。
まずは、自分がこれまでに携わってきた業務内容やプロジェクトの中で、「評価されたこと」「やりがいを感じた瞬間」などを振り返りましょう。経験年数や使用技術だけでなく、「どのような立場でチームに貢献してきたか」「得意だった役割は何か」といった視点を含めると、より立体的なスキル像が見えてきます。
あわせて、「どんな働き方にモチベーションを感じるか」「どのような環境でパフォーマンスが上がるか」といった性格的な傾向や価値観も棚卸ししておくと、案件選びの軸が明確になります。たとえば、コミュニケーション頻度が高い現場が好きなのか、静かに集中できる環境が合っているのか──これだけでも選ぶべき案件は大きく変わってきます。
加えて、「どんな働き方を避けたいか」や「これまで苦手だと感じた業務」も洗い出しておくと、ミスマッチを防ぐフィルターとして役立ちます。
自己分析は一度やって終わりではなく、フリーランスとして活動しながらアップデートしていくものです。
とはいえ最初の段階では、自分一人では気づけないことも多いため、元同僚や上司、友人など、他者からのフィードバックをもとに視野を広げるのも有効です。
「何ができて、何をしたいか」を言葉にすることが、理想の働き方を実現する第一歩です。
②ギークスジョブの市場価値診断
客観的な視点から自分の価値を把握する方法として「ギークスジョブ」の市場価値診断が活用できます。
自分では「このスキルは当たり前」と思っていても、企業から見れば非常に価値が高いケースもあります。逆に、独立後に求められるスキルとのギャップを把握できず、案件選びでつまずく人も少なくありません。
そうした“思い込みのズレ”をなくすために役立つのが、市場価値診断のような客観データに基づくスキル評価ツールです。簡単な質問に答えるだけで、現在のスキルセットが市場全体でどのポジションに位置しているのか、どの分野でニーズが高いのかを把握できます。
また、このような診断は単に「スキルの点数」を出すだけでなく、将来的なキャリア設計の指針としても有効です。たとえば、「次の半年でどんなスキルを伸ばせば単価を上げられるのか」「どの業界に移るとより安定して案件が見つかるのか」といった判断材料にもなります。
自分の「現在地」を客観的に理解することは、フリーランスとして継続的に成長していくうえで欠かせません。
市場の中での立ち位置を把握し、次にどんなスキルを磨くべきかを明確にすることが、ブレないキャリア戦略につながります。
③エージェントを活用
フリーランスとしての働き方に挑戦する際、「どの案件が本当に自分に合っているのか」「リモートで働けるかどうか」「条件交渉はどうすればいいのか」といった不安を感じる方は少なくありません。
そうした課題に対して、フリーランス専門のエージェントの活用は、非常に有効な選択肢になります。エージェントに登録すると、まず希望の働き方やスキル、条件についてヒアリングが行われます。そのうえで、自分の希望に合致する案件をピックアップして紹介してくれます。これは単なる「案件の紹介」にとどまらず、次のようなサポートも含まれています。
- 企業との調整・連絡・条件交渉の代行
- 契約手続きや単価に関するアドバイス
- 案件参画後のフォローアップや継続サポート
- 将来的なキャリア形成まで見据えた相談対応
単なる案件紹介にとどまらず、企業との条件交渉や契約手続きの支援、参画後のフォローアップ、さらに将来を見据えたキャリア相談まで、幅広くサポートしてくれるのも特徴です。
特に、以下のような状況にある方にとっては、エージェントの存在が大きな安心材料となります。
- 地方在住などで、通勤が難しい
- 子育てや介護と両立できる働き方を重視している
- フリーランスとしての活動が初めてで、契約や交渉に自信がない
通勤が難しい地方在住の方や、子育て・介護との両立を前提とする方、契約や交渉に不安がある初めてのフリーランスにとっても、エージェントの存在は心強い味方となるでしょう。
すべてを一人で判断・交渉するのは、時間も手間もかかり、ミスマッチのリスクも伴います。だからこそ、経験豊富なエージェントをパートナーにすることで、効率的かつ安心して、自分に合った柔軟な働き方を見つけることができます。
フリーランスで理想のエンジニア像を叶えてみませんか
近年ITエンジニアの働き方として「フリーランス」を選ぶ方が増加しています。その背景には、自身のスキルをより自由に活かし、柔軟な働き方を実現できるという魅力があるからです。ITフリーランス専門エージェントである当社が公開した「2024年度稼働中ITエンジニア調査」の結果は以下のようになっています。
- 累計登録ITフリーランス数:23,000名
- 年間新規登録ITフリーランス数:1,500名
- 取引実績社数:3,810社
- 年間受注人月数:19,125人月
これらの数値は、ITフリーランス市場が着実に成長している証です。特に当社では、エンジニアの多様なスキルに合わせた案件提案や、キャリア形成支援・福利厚生サービスまでを包括的に提供しており、安心してフリーランスとしてのキャリアを築く環境が整っています。
正社員や派遣での経験をベースに、より自立したキャリアを志すエンジニアにとって、フリーランスという選択肢は大きな可能性を秘めています。当社のサポートを活用することで、自分らしい働き方を実現する一歩を踏み出せるでしょう。
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