R言語とは？Pythonとの違いを解説

作成日：2024/07/19（金） TECH

昨今のDX化推進で企業のデータ活用の重要性が高まるなか、統計解析やデータの可視化を得意とするR言語にますます注目が集まっています。同じくデータ解析に使われるプログラミング言語、Pythonとの比較も交えながら、R言語の魅力について掘り下げます。

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R言語は、統計解析に特化したプログラミング言語

R言語は統計解析や機械学習に特化した、オープンソースのプログラミング言語です。1995年、ニュージーランドのオークランド大学で、統計モデルの構築や解析にまつわる効率アップを目的に誕生しました。C言語のような汎用言語とは異なり、統計解析の分野に特化したプログラミング言語です。

WindowsやMacなど一般ユーザー向けOSにインストールして使用することができます。今日ではPython、Excel、SQLと並んで、データサイエンティスト職やデータアナリスト職の必須スキルとなってきました。

R言語の強みと弱み

R言語の特性について、強みと弱みに分けて紹介していきます。

強み1：統計解析

R言語の最大の強みは、統計解析の分野にあります。統計解析とは大量のデータを分析し、データに含まれるパターンや傾向を明らかにすることです。

伝統的な統計学に基づく統計学的検定や推定はもちろん、世界中の研究者が日々新しく公開するパッケージを用いることで、最先端の統計解析手法も実行できます。
また数値解析だけでなく、テキストデータから頻出ワードを抽出したり、ワードクラウドを作成するなど、テキストマイニングにも対応しています。企業に眠るデータ活用という面で特に課題となっている、メールや議事録などのドキュメントの精査に活用できるでしょう。

また外部アプリケーション連携にも優れており、Excelファイルを自動変換して読み込む事もできるので、非常に実用的です。またExcelのPower Queryで行うようなデータ前処理（データクレンジング）に関しても、より複雑で細かい処理の実行が可能になります。

強み2：データの可視化

データの処理・解析だけでなく、視覚的にわかりやすいグラフを簡単に作成することができます。ヒストグラムや散布図といった基本的なグラフはもちろん、多彩なビジュアライゼーションツールでさまざまなタイプのグラフが作成できます。

弱み1：ソフトウェア開発に不向き

R言語はあくまで統計解析やデータ処理に特化したプログラミング言語です。そのためシステム開発やアプリケーション開発には向いていません。

弱み2：扱うには統計学の専門知識が必要

直感的にわかりやすく、拡張パッケージが豊富なので、初心者でも触れやすい言語ですが、扱うには統計に関する専門知識が必要になります。またスクリプト言語とは異なるので、独特な文法やデータ操作の方法に慣れるには、学習コストがかかるでしょう。

R言語とPythonの違い

統計解析を強みとするR言語は、機械学習にも応用されていることから、同じく機械学習を得意とするプログラミング言語のPythonと比較されることが多くあります。それぞれの特徴を整理してみましょう。

まずご紹介してきたようにR言語は、データを解析しグラフ化するという部分に強みがあります。言い換えると、データをもとにした「説明」を行うことに長けていると言えるでしょう。

一方Pythonは機械学習のためのライブラリが豊富で、最新の予測手法でもPythonで実装されていることが多く、「機械学習のトレンドは、Pythonのトレンド」と言っても過言ではありません。つまりデータから「予測」を行う機械学習という場面では、Pythonが有利になります。
またPythonは汎用スクリプト言語なので、統計解析、機械学習のほか、アプリケーション開発も対応可能です。また一般的にR言語に比べて処理速度が早いと言われています。

ひとくちに機械学習を実行できると言っても、R言語とPythonではそれぞれ特徴があり、使われる目的が異なります。これから新しいプログラミング言語を習得しようとする場合は、目的に合わせて選びましょう。