ITフリーランスが陥りやすい契約トラブル。未然に防ぐ対応策とは
働き方の選択肢が増え、企業に雇用されないフリーランスという働き方も一般的になってきました。ただし契約に則って業務を遂行するフリーランスには、さまざまな契約上のトラブルが発生するリスクもあります。ITフリーランスが陥りやすい契約トラブルにはどのようなものがあるのか、またそのリスクを回避するためにITフリーランスとしてなにができるのか、解説していきます。
ITフリーランスが陥りやすい契約トラブル
ITフリーランスが締結することの多い業務委託契約では、どのようなトラブルが発生しやすいのでしょうか。陥りやすい契約にまつわるトラブルをご紹介します。
偽装請負
偽装請負とは、契約形式としては業務委託契約であるにも関わらず、実態としては派遣契約のように、受注者が発注者の指揮命令を受けている状態を指します。例えば、出退勤や勤務時間を管理されたり、単純作業などで細かい作業指示があったりすることは指揮命令にあたると評価される可能性があります。たとえ客先常駐であっても、事前の合意を前提として、あくまでITフリーランスに主体性がある、対等な関係が本来の業務委託契約です。
偽装請負は労働者派遣法等に定められた派遣元や派遣先(発注者)の責任を曖昧にする抜け道となることから、労働者保護の観点から問題となります。ちなみに、必要な許可を得ないまま偽装請負状態が生じている場合、派遣元、派遣先(発注元)がともに処罰の対象となります。
中途解約
契約期間中に解約・終了を言い渡され、損失が生じるトラブルも考えられます。業務委託契約(委任契約等)における中途解約のルールは、一般的に業務委託基本契約書に定めらていますので、それ自体が契約違反などになるわけではありません。ただ、現実問題として見込んでいた収益がなくなる、つまり損失が発生する可能性がありますので、その意味でリスクと捉えておくべきでしょう。
情報漏えい
ITフリーランスが参画する業務・案件では、発注者が持つ機密情報を取り扱うケースが少なくありません。故意ではなかったとしても、預かった機密情報が漏えいした場合、発注者などに大きな損害が発生する可能性があります。ソースコードへ自由にアクセスができるオープンソースソフトウェア(OSS)の開発者は特に注意が必要です。
善管注意義務違反
善管注意義務とは「善良な管理者の注意義務」の略で、その職種や立場において通常要求される注意義務をいい、業務委託契約(準委任契約)における義務の一つです。ITフリーランスであれば、法令遵守や一般的な倫理観を持って業務にあたることは前提として、例えば、業務上明らかに間違っていることだとわかれば、それを指摘・改善する働きをする義務があるということです。これに違反した場合には、契約を解除されたり、損害賠償責任を問われる可能性があります。
契約トラブルを未然に防ぐ対応策
ITフリーランスに起こりがちな契約のトラブルケースをご紹介しました。これらのトラブルを回避するため、ITフリーランスとしてはどのような対応ができるでしょうか。それぞれ詳しく解説します。
偽装請負の対策
そもそも悪意のある偽装請負に巻き込まれることを防ぐためには、エージェントが設けているクライアント精査の基準をクリアした紹介案件のなかで契約先を選ぶとよいでしょう。
また、悪意なく偽装請負に該当してしまうケースもあります。参画先企業の全ての担当者・作業者が偽装請負や指揮命令について深く理解しているわけではありませんので、PMやPLなど一部の担当者が、悪気なく正社員と同様の扱いをしてしまうような場合もあるからです。
万が一、偽装請負に遭遇してしまったときには、発注者に業務委託契約と指揮命令について正しい理解を求め、発注者からの指揮命令を受け入れない毅然とした対応を取りましょう。フリーランスエージェントが仲介していれば、トラブル処理にも力を貸してくれるのでより安心感が高まります。
中途解約の対策
契約期間中の解約や終了には、さまざまな原因が考えられます。中でも多いのは、業務内容とITフリーランスのスキルにミスマッチが生じているケースです。契約締結前に十分な打ち合わせを重ねることや、エージェントという第三者目線でマッチングの精度を高めておくことで、中途解約のリスクをおさえることができます。
また、発注元の経営状況の変化や、プロジェクトの進行ストップなどが原因で、中途解約されるケースもあります。営業活動中に、個人で面談先企業の経営状況や案件の進捗状況を確認することは難しく、この点におけるリスクヘッジは、個人ではなかなかできません。
このようなケースに遭遇しないためには、営業力が高く、発注元の内部情報に詳しいエージェントを活用することが最善の策と言えるでしょう。すでに契約実績がある企業であれば案件の進め方や過去のリリース実績などの背景も把握できることがあります。
情報漏えい、善管注意義務違反の対策
まずは倫理観をもった善良なITフリーランスであることが大前提です。その上で、悪意のないアクシデントで情報漏えいを起こしたり、善管注意義務違反とならないよう、セキュリティやセーフティネットの仕組みをつくりましょう。
この2点については、明確な判断基準がなく参画先企業によって捉え方はさまざまです。
ご自身でしっかり確認することがなによりの対応策となりますが、業務委託契約のリーガル面に精通しているエージェント担当者に確認することで、より安心できるでしょう。
リスク回避し、安心して作業するにはエージェントの活用を
ITフリーランスに発生しがちな契約トラブルとその対策についてご紹介してきましたが、全体をまとめると「善良で安定したクライアントを選定すること」がトラブル回避のポイントだと言えます。
実際にトラブルに遭遇してしまうと、金銭的損失や時間の損失、また精神面での苦痛も相まって、さまざまなものを失ってしまいます。
悪意のある偽装請負や、強引な中途解約、さらには倒産などによる未払いなどが起こる可能性が低い、「善良で安定したクライアント」を探すには、エージェントの活用がおすすめです。
中でもITフリーランス専門エージェントのギークスジョブでは、上場企業ならではのクライアント精査基準を持ち、条件をクリアした良質な求人・案件を優先的にご紹介しています。契約トラブルのリスク回避にも、ギークスジョブをご活用ください。
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