プロンプトエンジニアリングとは?求められるスキルや将来性を解説
Chat GPTのような生成AIツールの出現によって、プロンプトエンジニアという新しい職業が注目されています。日本のGoogleトレンドでは、2023年3月まで注目度が0を記録していたにも関わらず、2023年5月の第1週には100へと大きく躍進。Prompt Learningsによれば、アメリカでのプロンプトエンジニアの平均年収は約2,242万5,000円、エントリーレベルのポジションは約1,425万円*¹からスタートするとされています。そこで今回は、プロンプトエンジニアの実態を解説。求められるスキル、現在の需要、将来性など、プロンプトエンジニアへ興味のある方必見の記事をお届けしていきます。
*¹1ドル=150円(2024年3月現在)のレートで換算
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プロンプトエンジニアとは
プロンプトエンジニアは、大規模言語モデルやAIシステムにおけるユーザーの質問やリクエストに対する最適な回答を生成するためのプロンプト(指示や質問)を設計・最適化する専門家です。実際にプロンプト(質問)の良し悪しで、回答結果に大きな違いを生み出すのです。
プロンプトエンジニアはAIの出力を向上させるための効果的なプロンプト戦略を開発し、AIのパフォーマンスとユーザーエクスペリエンスを向上させることを目指します。
プロンプトエンジニアに求められるスキル
プロンプトエンジニアは、一般的なITエンジニアに求められるプログラミングスキルやロジカルシングとは異なり、プロンプトを幅広く適切に扱えるようになるためクリエイティブ性が求められる傾向にあります。プロンプトエンジニアには、主に以下のスキルが求められます。
ライティングスキル
プロンプトエンジニアには、AIから最適な答えを引き出すための明確かつ効果的な指示を出す能力が必要です。これには、高度な言語化スキルが求められ、正確で理解しやすいプロンプトを構築するための言語的な洞察力と創造性が不可欠となります。
柔軟な創造力
プロンプトエンジニアにとって柔軟な創造力は、AIとの対話において多様な視点からアプローチを試み、より豊かな応答を引き出すために不可欠です。プログラミングスキルと共に、創造的な思考があれば、AIの潜在能力を最大限に引き出し、より複雑で独創的な問題解決に繋がる可能性があります。創造力は、一見関連のないアイデアを結びつけ、AIに新しい視点を提供することで、その応答の範囲と深みを増やすために重要です。
編集力
一度生成されたものをうまく言語化し、独自の価値あるものに仕上げるために編集力が必要です。またAIの回答に人の手を加え、自然で分かりやすい文章にカスタマイズすることが重要です。このスキルを身につけることにより、独自性と価値を持つ解答を提供でき、他のプロンプトエンジニアと圧倒的な差別化を図ることができます。
ゼネラリスト的インプット
ゼネラリストのように広範な分野にわたるリテラシーを持つことで、必要に応じて様々な知識を迅速に取り込み、AIとの親和性を高めることができます。AIが提供できる解答の範囲と質を大きく向上させるため、狭い専門知識よりも広範な読解能力が求められます。
プロンプトエンジニアの現在の需要
現在日本における、プロンプトエンジニアの求人はまだまだ少ない状況です。
企業側がプロンプトエンジニアという存在の活用イメージが湧いていない、そもそも生成AIを業務に取り込めきれていないことなどが想定されます。
しかし、近年の生成AIの盛り上がりと世論の関心から、今後日本企業でも生成AIを積極的に取り込んでいくことは容易に想像ができます。
プロンプトエンジニアの今後の需要
今後も続いていくIT人材不足を補うために、AIサービスの導入が活発化していますが、プロンプトエンジニアはこのAIサービスの重要なポジションを担っています。
また、IoTの普及がさらに進むことで、IoTデバイスが収集する膨大なデータを活用し、ユーザーにより良いサービスを提供することが可能です。
このような背景から、プロンプトエンジニアの需要は今後さらに高まっていくと言えるでしょう。
株式会社MM総研が発表した調査レポート「生成AI/LLMの国内利活用動向調査2024」によると、企業における生成AI導入率は19%と徐々に広がりを見せているものの、まだお試し段階にある企業が大半です。
しかし、既に生成AIを導入している企業の今後の方針については、2024年度に前年度の計画・検証をもとに「特定の部門や業務で本格的に利用する」と回答した企業が64%、2025年度は「部門や業務に限らず全社で本格的に利用する方針」と回答した企業は69%にまで増えています。
いち早く導入した企業で様々な活用パターンが編み出されると、その成功体験をもとに多くの企業に広がっていくことは当然の成り行きと言えます。
また、生成AIの導入にあたって課題を感じている企業は97%と多く、中でも「AIやデジタルの高度な知識・技術を持つ人材が足りない」「セキュリティやプライバシーの確保」が最も多い回答結果となり、AIの活用には依然として大きなハードルが残されています。
つまり生成AIに対するニーズの高まりと利用シーンが醸成される一方で、活用における人材確保が困難になることからプロンプトエンジニアの需要は今後も高まってくることが予想されます。
今のうちにプロンプトエンジニアとしてのスキルや経験を磨くことで、より待遇の良いポジションへのキャリアアップが期待できるでしょう。
プロンプトエンジニアになるための学習方法
プロンプトエンジニアになるための学習ステップをご紹介します。主なステップは6つですが、既に同様のスキルや経験を持っている場合は、必要な部分から取り組むことで、プロンプトエンジニアへの近道となります。
ステップ1:基礎知識の習得
まず、プログラミング言語を身に付けるようにしましょう。プロンプトエンジニアを目指す方に最適なプログラミング言語にはPython、JavaScript、Java、C++, Ruby、PHP、Swift、TypeScript、Scala、Kotlinです。
これらは自然言語処理、AI開発、データ分析など、プロンプトエンジニアリングに関連する様々なタスクで広く使われています。特にPythonにおいてはOpen AIのPythonライブラリがあることから必須スキルと言えるでしょう。
ステップ2:AI技術の理解
機械学習やAIに関する基本的な理論や技術を学習しましょう。具体的には強化学習、ニューラルネットワーク、深層学習、自然言語処理、コンピュータビジョン、ランダムフォレストなどの分野です。生成AIにおいてはEmbedding(埋め込み表現)やベクトル化についても理解を深めるとよいでしょう。AIの基本理論や技術をセットすることで、様々なプロジェクトでプロンプトの品質を高めることに繋がっていきます。
ステップ3:AIツールの実践的利用
プロジェクト内でAIツールとの対話を試み、プロンプトの作成や最適化を行いましょう。OpenAIのGPTシリーズ、GoogleのGeminiなどの生成AIツールを利用し、経験を増やしていきましょう。既存のプロジェクトなど、実務で利用する機会があれば、職務経歴でアピールできるため、プロンプトエンジニアのキャリアを掴むことに大きく前進します。
ステップ4:データ分析のスキル
データ分析技術を身につけ、AIの応答の質を評価し改善する方法を学びましょう。データサイエンスの学習はプロンプトエンジニアになるための素晴らしい基盤となり得ます。データ分析、統計学は、AIの活用度を高め、効果的なプロンプトを設計するのに役立ちます。データサイエンスの学習は、AIシステムのパフォーマンスを改善し、問題を特定して解決するためにも重要です。
ステップ5:コミュニティやリソースの活用
オンラインコミュニティや、ワークショップに参加して知識を深め、経験を積みましょう。日本でのプロンプトエンジニアリング分野はまだ発展途上であるため、同分野のコミュニティに参加することで、ネットだけでは得られない情報を知ることができたり、人脈を広げる機会に繋がる可能性があります。
コミュニティでしか得られない、最新の技術やトレンドに関する知識を習得し、経験豊富な専門家から直接学ぶことができれば、プロンプトエンジニアへの道に大きく近づくでしょう。
ステップ6:プロジェクト管理
選択した言語に対する開発環境、ディストリビューションツール、ライブラリなどについても学習しましょう。プロンプトエンジニアになるためのスタンダードとなるプロジェクト管理の学習は流動的にトレンドが変化していくため、必要になったタイミングでその都度学習するようにしましょう。
フリーランスエンジニアとして活躍するために
これから将来的に高まるプロンプトエンジニアへの需要ニーズに対して、今のうちから学習を積み上げていくことで、きたるべきチャンスをしっかり掴むことができるようになります。
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