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エッジAIとは?メリットやクラウドAIとの違いについて解説

作成日:2024/03/26(火) TECH

エッジAIとは?メリットやクラウドAIとの違いについて解説

世の中には多種多様なAIを活用したシステムがありますが、それらは大きく分けると、エッジAIクラウドAIに分類されます。近年、IoT技術が普及したことにより注目を浴びているエッジAI。今回は、エッジAIの概要や、メリット・デメリット・活用事例などを分かりやすく解説していきます。

エッジAIとは

エッジAIは、データの生成源に近い物理的な場所、パソコン・スマートフォン・IoTデバイス上でAIシステムを直接処理する技術です。それに対して、クラウドAIは、AIシステムがクラウドベースのサーバーで実行される技術を指します。

エッジAIのメリット

エッジAIは、「リアルタイムレスポンス」「セキュリティ」「通信コスト」の3つの側面で大きなメリットを持ちます。

リアルタイムでの判断が可能

AIのシステムが、データの生成源に近い場所にあり、データをクラウドやデータセンターに送信する必要がないため、処理速度が速く、リアルタイムの応答が可能です。例えば、自動運転車が危険を迅速に回避するといった緊急事態への即座の対応、医療機器が患者の異常を即時に検出して警告を出すといった安全面が求められるケースで大きな役割を果たします。

セキュリティを強固にできる

エッジAIではデータ処理がデバイス上で完結するため、データが外部のネットワークやサーバーを経由するリスクが軽減されます。これにより、データの漏洩や不正アクセスの可能性が低下し、セキュリティが向上します。また、一般的にエッジデバイスは物理的なセキュリティ対策によって保護されており、外部からの攻撃に対する防御が強固であり、これらの要因が組み合わさることで、エッジAIはデータのセキュリティを強化し、ユーザーの信頼を維持する上で重要な役割を果たします。

通信コストを削減できる

大量のデータをクラウドに送信する必要がないため、ネットワーク帯域幅を圧迫しません。また、インターネット接続が不安定でも、デバイスはローカルでデータを処理できるため、接続性の問題を軽減することができます。

エッジAIのデメリット

メリットの反面、エッジAIにはデメリットもございます。主に「処理能力」「設計コスト」「運用」の3つの点が挙げられます。

処理能力が限られる

エッジデバイスは処理能力やメモリが限られているため、複雑なAIモデルや大量のデータを処理するのに適していません。一方、クラウドAIは、クラウドサーバーでの高い計算リソースを提供できるため、複雑なAIモデルも効率的に実行できます。

設計コストがかかる

AI処理がデバイス内部で行われるため、デバイス自体のアップデートやメンテナンスが必要となり、それが手間やコストの増加につながることがあります。AIモデルを実行するために十分な処理能力を持つデバイスを必要とするため、高性能なハードウェアへの投資が必要になります。プロジェクトによっては、分散して配置された多数のエッジデバイスを個別に管理・アップデートする必要があります。

導入・運用のハードルが高い

エッジAIを適切に機能させるためには、エッジデバイスの選定、AIモデルの最適化、デバイス間の通信設定など、システムの複雑性が一気に高まる傾向にあり、技術的な課題が多くあります。

エッジAIとクラウドAIの選択

エッジAIとクラウドAIの選択は、アプリケーションの要件、特にレイテンシー、プライバシー、計算リソースの必要性、およびコストに基づいて行うべきです。リアルタイム処理やプライバシーが重要なアプリケーションではエッジAIが適していますが、計算能力やスケーラビリティが重要な場合はクラウドAIが適切な選択となります。

エッジAIとクラウドAIは相互に排他的なものではなく、多くの場合、これらは相補的に使用されます。特定のアプリケーションやユースケースに応じて、エッジAIでのリアルタイム処理の利点と、クラウドの計算能力やスケーラビリティの利点を組み合わせることができます。


例えば、エッジデバイスで初期のデータ処理やフィルタリングを行い、詳細な分析や長期的なデータ保管はクラウドで行うといったハイブリッドアプローチが考えられます。このように、エッジAIとクラウドAIを適切に組み合わせることで、それぞれのデメリットを補いながら、システム全体としての最適なパフォーマンスを実現できます。

エッジAIの活用事例

エッジAIで活用されたアプリケーションの事例をご紹介します。また、今回はエッジAIに対してハイブリッドに組みこまれるクラウドAIの例も同時にご紹介します。

スマートシティ

エッジデバイスである監視カメラでリアルタイムな交通状況を分析し、渋滞や事故の情報を即座に検出します。このデータはクラウドに送られ、都市全体の交通流を管理・最適化するために使用されます。

ヘルスケアモニタリング

ウェアラブルデバイスやヘルスケア機器がエッジで患者の健康状態をモニタリングし、異常を検知した場合に即座に警告します。長期的な健康データはクラウドに蓄積され、患者の健康管理や研究に役立てられます。

自動運転車

車載センサーやカメラは、周囲の環境をリアルタイムで認識し、即座の判断を下すためにエッジで処理されます。一方、蓄積されたデータはクラウドに送られ、運転アルゴリズムの改善やトラフィックパターン分析に使用されます。

工業オートメーション

工場内のセンサーや機械はエッジAIで稼働状態を監視し、即時の制御決定を行います。この運用データはクラウドに送られ、生産プロセスの最適化や予防保全の計画に活用されます。

スマートホーム

スマートホームデバイスはエッジAIで環境データを処理し、照明や温度の即時調整を行います。ユーザーの好みや行動パターンはクラウドに保存され、カスタマイズされたスマートホーム体験の提供に役立てられます。

セキュリティシステム

セキュリティカメラはエッジAIで画像を分析し、不審な動きや顔を即座に検出します。詳細な分析や長期的な監視データの蓄積はクラウドで行われます。

これらのアプリケーションでは、エッジAIがリアルタイム処理とプライバシー保護を担い、クラウドAIが大規模なデータ処理、長期的な分析、およびアップデートとメンテナンスを担当することで、システム全体の効率性と機能性が向上します。

エッジAIの開発言語の特徴

エッジAIシステムを開発する際によく使用されるプログラミング言語は、Python、C/C++、Java、JavaScript、Rust、Goなどがあります。また、以下のような特徴を持つ開発言語が適しています。

リソース効率

エッジデバイスは限られた計算能力、メモリ、電力を持つため、リソースを効率的に使用する言語が好まれます。

リアルタイム処理

エッジデバイスはリアルタイムでの処理が求められることが多いため、低遅延で実行できる言語が重要です。

ハードウェア近接

デバイスのハードウェアに直接アクセスしたり、特定のハードウェア機能を最大限に活用したりするために、ハードウェアに近い言語が必要になることがあります。C/C++やRustのような言語がパフォーマンスと効率を最適化するために選ばれることが多いです。

フリーランスエンジニアとして活躍するために

技術の進歩は日々加速しており、エンジニアにとっては最新の技術トレンドに常に敏感であることが求められます。プロジェクトごとに最適な技術選定が必要であり、これには言語や領域を問わず広範囲にわたる最新情報のキャッチアップが不可欠です。
新しいツールや技術を採用する際には、そのメリットとデメリットをしっかりと理解し、プロジェクトの要件や目標に合致するかどうかを慎重に評価する必要があります。


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