適格請求書発行事業者になる為の手続き 〜ITフリーランスのためのインボイス講座 #4〜
ITフリーランスにとってインボイス制度の導入は、税制上の変更のみならず、案件受注の為の営業活動にも影響を及ぼしかねない重要な税制改正です。いままでは免税事業者だったけれども、これを機に適格請求書発行事業者になったほうが得策だと判断される方も多いでしょう。そこでこの記事では、免税事業者から適格請求書発行事業者になる手続きの方法やスケジュール、そして書類提出の前に確認しておきたい注意事項をまとめます。
※ITフリーランス向け福利厚生プログラム「フリノベ」提携 税理士法人松本 監修
※本記事は2022年10月17日時点の内容です。最新情報は国税庁より公表されている内容をご確認ください。
手続きその 1:免税事業者から課税事業者になる(経過措置あり)
おさらいになりますが、免税事業者から適格請求書発行事業者になる場合には、まず課税事業者への変更することになります。通常では所轄税務署へ、「消費税課税事業者選択届出書」の提出が必要ですが、インボイス制度施行にあたって適格請求書発行事業者になろうとする場合には、経過措置の一貫としてこの届出書の提出手続きが免除され、課税期間内での切り替えも可能となっています。
通常、切り替えのタイミングは課税期間毎になるので、届出を提出した翌課税期間から切り替えが適用されます。ITフリーランス(法人格を持たない個人事業主)の場合、課税期間は原則1月1日〜12月31日までの1年間を指すので、提出期限は前年の12月31日です。
※法人格の場合は事業年度が適応されます。
手続きその2:適格請求書発行事業者の登録手続きを行う
適格請求書発行事業者になるには、課税事業者になったうえで登録手続き申請を行います。申請内容に基づき税務署による審査を経て、通過した事業者は登録及び公表が行われ、適格請求書発行事業者としてインボイスを発行できるようになります。
[ステップ1]登録申請書を提出する
登録申請書を所轄税務署に提出します。提出に際し必要な書類は以下の通りです。なお、手数料はかかりません。
・適格請求書発行事業者の登録申請書:こちらからダウンロードできます
・本人確認書類:マイナンバーカード、または通知カード+身元確認書類
[ステップ2]税務署による審査を待つ
提出された申請書類に基づき、税務署が書類の記載内容や虚偽記載がないかなど確認のうえ、登録審査が行われます。
[ステップ3]登録および公表が行われる
審査に通過すると、適格請求書発行事業者として登録名簿に記載され、これをもって登録年月日が確定します。なお登録者は氏名、登録年月日、登録番号などが、インターネット上でも公表されます。
[ステップ4]税務署からの通知を受け取る
登録が完了すると税務署から登録手続き完了の通知とともに、適格請求書発行事業者の登録番号が送られます。登録番号はインボイス発行の際に必ず記載が必要になる重要な番号で、個人事業主の場合は「T+13桁の数字」が割りふられます。
インボイス制度導入にあわせた、最適な手続きスケジュール
インボイス制度開始と同時にインボイスが発行できるように準備するなら、適格請求書発行事業者の登録申請の提出期限は2023年3月31日です。
通常は課税期間中に免税事業者から課税事業者へ切り替えることはできませんが、2029年9月30日までは、適格請求書発行事業者として登録を受けた日から自動的に課税事業者に切り替わるという経過措置が設けられています。2023年3月31日までに登録申請を行えば、課税事業者選択届出書の事前提出も必要なく、最もスムーズに適格請求書発行事業者への手続きが完了します。
課税事業者に切り替えたら、最短2年間は免税事業者に戻れない
適格請求書発行事業者登録申請書を提出する前に、これだけは確認してください。それは「2年継続適用」のルールです。つまり一度課税事業者に変更したら、最低でも2年間は免税事業者に戻れない、ということです。「とりあえず課税事業者をしてみて、きつかったらすぐに免税事業者に戻ろう」といった柔軟な変更はできません。
課税売上高が1,000万円以下であれば「課税事業者不適用届出書」の提出で免税事業者に戻れますが、提出できるのは早くても3年目以降になりますし、課税期間中の変更はできません。
また適格請求書発行事業者を取りやめるには「適格請求書発行事業者の登録の取り消しを求める旨の届出書」を提出することになりますが、こちらも提出した日の属する課税期間の翌期間から取り消し扱いとなります。
ちなみに「早くても3年目以降」と記載していますが、調整対象固定資産の仕入れなどを行った場合には、継続適用が2年から3年、4年と延長されます。調整対象固定資産とは、棚卸資産以外の資産で、建物、建物附属設備、構築物、機械及び装置、船舶、航空機、車両及び運搬具、工具、器具及び備品、鉱業権その他の資産で、一の取引単位の価額(消費税および地方消費税に相当する額を除いた価額)が100万円以上のものを指します。課税事業者になった年に調整対象固定資産を取得した場合は3年間、その翌年の場合は4年間が継続適用されることになります。
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今回は適格請求書発行事業者になるための手続きとそのスケジュール、そして注意点についてまとめました。適格請求書発行事業者になるには審査が必要になるため、期限に余裕を持って書類が提出できるように準備をしていきましょう。
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