これだけは押さえておきたい!機械学習とディープラーニングの違い
「AI(人工知能)」という言葉は、もはや私たちの日常に浸透しています。スマートフォン、家電、自動車、そしてビジネスシーンに至るまで、AIの活用は広がりを見せています。
そんなAIを語る上で欠かせないのが「機械学習」と「ディープラーニング」です。
しかし、これらの言葉は混同されやすく、その違いを正しく理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。
今回は、AIをより深く理解するために、機械学習とディープラーニングの違いを、具体的な事例や活用分野を交えながら、わかりやすく解説します。
機械学習の概要
機械学習とは、人間が自然に行っている「学習」という行為を機械にさせようという試みのことを指します。
具体的にはマシンに大量のデータを与え、そのデータの中に潜むパターンやルールを見つけ出させることで、未知のデータに対しても予測や判断ができるようにします。
たとえば、過去の天気データと気温データから、明日の気温を予測したり、大量の画像データから猫と犬を分類したりといったことが可能です。
機械学習の手法は、大きく3種類に分類されます。
教師あり学習
データと正解のセット(例:リンゴの画像と「リンゴ」というラベル)を機械に与え、その関係性を学習させる手法です。正解を教えることを「教師」に見立てています。
教師あり学習では、新しいデータに対して、学習した関係性に基づいて予測や分類を行うことが可能です。
たとえば、迷惑メールのフィルタリングでは、過去のメールデータと「迷惑メール」か「迷惑メールでない」かのラベルを学習させることで、新しいメールが迷惑メールかどうかを判定することができます。
また、病気の診断では、患者の症状データと診断結果を学習させることで、新しい患者の症状から病気を予測することができます。
教師なし学習
正解を与えずに、データの構造や特徴を機械に学習させる手法です。
教師なし学習では、データのグループ分け(クラスタリング)や、データの特徴を抽出して可視化(次元削減)などができます。
たとえば、顧客の購買履歴を分析し、顧客をいくつかのグループに分類することで、それぞれのグループに合ったマーケティング戦略を立てることができます。
また、工場のセンサーデータから異常なパターンを検出し、故障を未然に防ぐことも可能です。
強化学習
機械が試行錯誤しながら、目標達成のための最適な行動を学習する手法です。
強化学習では、行動の結果に対して報酬を与えることで、機械は報酬を最大化するように行動を学習します。
たとえば、囲碁や将棋などのゲームAIは、強化学習によって自己対戦を繰り返し、より強い手を打てるように学習します。
それ以外にも、ロボットの制御にも応用されており、ロボットが試行錯誤しながら、より効率的な動き方を学習することができます。
また機械学習においては、過学習という望ましくない現象が起きる場合があります。
過学習とは
機械が学習データに過剰に適合しすぎてしまい、未知のデータに対してうまく対応できなくなる現象のことです。
たとえば、過去の天気データだけを学習した機械は、そのデータに完璧に適合する予測モデルを作ることができますが、将来の天気の変化に対応できない可能性があります。
過学習を防ぐためには、学習データと検証データに分けてモデルを評価したり、モデルの複雑さを調整したりするなどの工夫が必要です。
ディープラーニング(深層学習)とは
ディープラーニング(深層学習)は、機械学習の一種であり、人間の脳の神経回路(ニューロン)を模倣した「ニューラルネットワーク(NeuralNetwork:NN)」というモデルを用いて学習を行います。
このニューラルネットワークは、複数のレイヤーから構成されており、各レイヤーが連携して複雑なパターンを学習することができます。
ディープラーニングは、画像認識や音声認識、自然言語処理など、従来の機械学習では困難だったタスクにおいて、高い性能を発揮することができるため、近年注目を集めています。
ディープラーニングには、下記の3つの特徴があります。
特徴量の自動抽出ができる
従来の機械学習では、人間が特徴量(データの特徴を数値化したもの)を設計する必要がありましたが、ディープラーニングでは、機械が自動的に特徴量を抽出することができます。
たとえば、画像認識においては、機械が自動的に「エッジ」「角」「色」などの特徴を抽出し、それらを組み合わせて物体を認識します。
より高い表現力(処理能力)がある
複雑なパターンを学習できるため、画像や音声などの非構造化データの処理に優れています。
たとえば、大量の画像データから猫や犬、人間の顔を認識することができます。
大規模データに対応可能である
大量のデータを用いて学習することで、より高い精度で判断結果を出力することができます。
たとえば、インターネット上の大量のテキストデータを学習することで、高精度な機械翻訳システムを構築することができます。
このように豊富な表現力と学習能力を誇るディープラーニングでは、以下3分野でも大きな成果を上げています。
画像分野でのディープラーニング
医療分野では、X線写真やCTスキャン画像から病変を検出し、医師の診断を支援するシステムが開発されています。
製造業界では、製品の外観検査にディープラーニングが活用され、不良品を高速かつ高精度に検出することができます。
また、金庫などのセキュリティ分野では、顔認証システムや監視カメラによる人物検知などに利用されています。
音声分野でのディープラーニング
音声認識は、ディープラーニングの応用分野の中でも特に進んでいる分野の一つです。
その代表であるスマートスピーカーや音声アシスタントは、私たちの生活に身近な存在となっています。
また、コールセンターでの音声自動応答システムや、会議の議事録作成など、ビジネスシーンでも活用が進んでいます。
それ以外にも、音声合成技術も進化しており、人間の声と区別がつかないほど自然な音声を作成できるようになっています。
自然言語処理分野でのディープラーニング
自然言語処理の代表である機械翻訳は、日々進化しており、異なる言語間のコミュニケーションを円滑にする上で欠かせないツールとなっています。
また、チャットボットは、顧客対応や情報提供など、様々な場面で活用されています。
さらに、ディープラーニングによる文章生成技術も進歩しており、ニュース記事や小説などの自動生成も可能になりつつあります。
上記以外にも、ディープラーニングは実に様々な分野で活用されています。
たとえば、金融分野では、株価予測やクレジットカードの不正利用・キャッシュカードの不審な引き出しなどの不正取引検知に利用されています。
また、マーケティング分野では、顧客の行動分析やターゲティング広告などに活用されています。
それ以外にも昨今、技術の進歩が目覚ましいゲーム分野では、キャラクターのAI制御やゲームバランスの調整などに利用されています。
機械学習・ディープラーニング(深層学習)の違い
機械学習とディープラーニングは、どちらもデータから学習する技術ですが、そのアプローチには下記の相違点があります。
「機械学習」では、人間が事前にデータの特徴量を設計し、その特徴量に基づいて機械が対応パターンとルールを学習します。そして、そのパターンとルールに準じたデータのクラスタリングや予測をします。
一方、「ディープラーニング」では、人間の神経細胞を模した仕組みをしているため、機械が自動的に特徴量を抽出します。これにより、人間が気づかなかった隠れたパターンや関係性を発見できる可能性があります。
つまり、機械学習は「人間が何を学ぶべきか」を指示するのに対し、ディープラーニングは「機械が何を学ぶべきか」を自分で発見するのです。
このような、創造性の有無という違いが機械学習とディープラーニングにはあります。
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今回は、機械学習とディープラーニングそれぞれの概要や特徴、相違点などについて説明しました。
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