ERPとは？役立つスキルについて

作成日：2024/07/31（水） TECH

今エンジニアの仕事の中で最も注目されている分野の一つがERPです。ERPは高額で長期的な案件かつエンジニアとして大きな実績を得られるため、ITフリーランスエンジニアにとってはかなり恵まれた案件と言えます。そこで今回はERP案件の単価、求められるスキル、将来性などを解説します。

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ERP案件とは

ERP案件とは、企業の基幹システムに関わる案件です。ERPとは、Enterprise Resources Planningの略で、企業の様々な業務プロセスを統合して管理するためのソフトウェアシステムです。

主に、財務管理、人材管理、製造、サプライチェーン管理、プロジェクト管理、データ分析などの機能を一つのシステムに統合し、情報の流れを改善して効率的な運用を支援します。

ERP案件の仕事内容

ERP案件の仕事は、大きく分けてERPコンサルティングとERPシステム開発の2種類があります。

ERPコンサルティング

ERPコンサルティングは、企業がERPシステムを選定、導入、そして最適化する過程で提供する支援サービスです。このプロセスでは、コンサルタントがクライアントのビジネスニーズを深く理解し、それに基づいて最適なERPソリューションを推奨します。具体的な業務内容として、まず企業の業務プロセス、情報フロー、そしてシステム要件を詳細に分析することから始めます。その情報をもとに、企業のニーズに適合するERPソフトウェアの選定を支援します。

さらに、導入計画の策定、タイムラインの管理、リスク評価といったプロジェクト管理の業務を行い、システムの導入過程をスムーズに進行させます。導入後は、従業員が新しいシステムを効果的に利用できるように適切なトレーニングとサポートを提供し、変更管理を実施します。また、システムが稼働した後もパフォーマンスの監視を行い、必要に応じて改善提案を行うことで、継続的なサポートと最適化を行います。これら一連の活動を通じて、ERPコンサルティングは企業の業務効率化と戦略的意思決定の支援を目指します。

ERPシステム開発

ERPシステム開発は、選定されたERPソフトウェアを企業の具体的な要件に合わせてカスタマイズや拡張する作業を指します。この過程では、開発チームが技術的な専門知識を活用してシステムの設計、実装、テストを行います。主な業務内容としては、まず標準的なERPソフトウェアを企業の特定のビジネスプロセスやルールに合わせて修正します。さらに、クライアントの独自の要求に応じて新しい機能やモジュールを開発することもあります。

ERPシステムを他のビジネスアプリケーションやデータベースと統合することにより、より広範な情報システムの一部として機能させることが可能です。また、システムの機能とパフォーマンスを検証し、問題点を修正するためのテストと品質保証も重要な役割を担います。最後に、システムの本番環境への展開を行い、運用後の保守サポートを提供します。

ERP案件の報酬・単価

ERP案件の月額報酬は、ERP導入の経験がある場合、
保守：50万円～70万円、
開発：60万円～80万円、
設計：70万円～100万円、
PMO：100万円～130万円、
コンサルティング：130万円～200万円
と言われています。

ERP未経験の場合は40万円～からというものもあります。ERP案件は、導入企業によって規模やニーズが大きく変わります。
高ニーズなモジュール及び上流から下流に関する知見を有していたり、グローバルな企業での多言語なコンサルティング対応などができたりする場合、上記の単価以上の報酬の場合もあるようです。

上場企業が基幹システムを導入する場合、予算が数億～数百億円となるため、エンジニアとしてERPにおける課題解決能力に長けていればいるほど、高単価の仕事を獲得できるようになります。

ERP案件獲得のために必要なスキル

特定のERPシステム（例えばSAP、Oracle、Microsoft Dynamicsなど）に関する深い知識と経験が必要です。これにはアーキテクチャ、設定、カスタマイズ方法の深い理解力が含まれます。
また、異なるビジネスアプリケーションやデータベースとERPシステムを効果的に統合する能力も求められます。

業務プロセスの理解
異なる業界や部門の業務プロセスを理解し、そのニーズに合わせてERPソリューションを提案できる能力が必要です。

プロジェクト管理能力
大規模なERP導入プロジェクトを管理するためのスキルが重要です。これには、タイムラインの管理、リソースの割り当て、リスクの評価と対応が含まれます。

コンサルティングスキル
クライアントとの効果的なコミュニケーション、ニーズ分析、問題解決能力が求められます。

チームビルディング
ERPプロジェクトは多くの場合、異なる専門知識を持つ人々が協力する必要があるため、チームで働く能力が求められます。

ERP案件獲得のために最適な資格

SAP認定コンサルタント資格
SAP認定コンサルタント資格は、SAPが提供するビジネスソフトウェアのスキルと知識を持っていることを証明するための資格です。
この資格は、ERPシステムの中でも特に広範囲にわたるSAP製品に関する深い理解を示すものであり、業界内で高い評価を受けています。エンジニアがSAP製品の導入、カスタマイズ、および管理に関して高い専門性を持っていることを客観的に証明するため、クライアントや雇用主に対して信頼性と専門性をアピールする有効な手段となります。

ORACLE MASTER
ORACLE MASTERは、Oracle社が提供する認定資格で、特にOracleのデータベース技術やOracle EBS（Oracle E-Business Suite）、Oracle ERP Cloudなどのアプリケーション製品に関する深い知識と技術スキルを証明するものです。
ORACLE MASTER資格は、Oracleのテクノロジーに関する深い知識と実務経験があることを証明します。これにより、エンジニアはERP導入やカスタマイズ、維持管理に関する専門的な作業を行う能力があると評価されます。

2027年問題とは？ERPの将来性

2027年問題は、SAP社が提供する「SAP ERP 6.0」の標準サポートが2027年に終了することを指します。サポート終了後はセキュリティ更新や技術サポートが受けられなくなり、システムの脆弱性が増すリスクが高まります。その為、多くの企業がシステム移行の必要性に直面しています。
この問題を背景に、ERPシステムの移行や新規導入のプロジェクトが増加する見込みです。特に、SAP S/4HANAへの移行が推奨されているため、この分野での専門知識を持つITエンジニアの需要が急増しています。

また、システム移行に伴う業務プロセスの見直しや最適化が求められるため、ERPコンサルタントやプロジェクトマネージャー（PM）の役割も重要になり、ERP人材の市場価値が高まり、スキルを持つ専門家の需要が今後も増加すると予想されます。