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クラウド・コンピューティングの未来が見える。2024年トレンド解説

作成日:2024/03/08(金) TECH

クラウド・コンピューティングの未来が見える。2024年トレンド解説

専門性の高い業務を遂行するITフリーランスの場合、プログラミング言語や各種開発ツール、新製品のキャッチアップはもちろん大切です。こうしたスキル研鑽と同じように常に業界トレンドにアンテナを張り、最新情報に精通していることもまた、案件依頼が絶えないITフリーランスの特徴と言えます。ITフリーランスの皆さまの情報キャッチアップの参考として、今回は話題のクラウド・コンピューティングの分野から、話題となっているトレンド情報をご紹介します。

プラットフォーム・エンジニアリング

プラットフォーム・エンジニアリングとはなにか

アプリケーションの迅速なデプロイを実現するという観点で、2023年頃から注目されているのがプラットフォーム・エンジニアリングという開発手法です。特定技術の規定や仕様があるものではなく、各企業や組織がそれぞれにとって使いやすい環境構築を目指して独自で取り組んでいます。


プラットフォーム・エンジニアリングの実現のため、多くの組織は「社内開発者ポータル(IDP)」の開発から始めています。専任のプラットフォーム・チームを設け、アプリケーション開発者の負担を軽減するための機能群をクラウド環境に用意するというものです。再利用可能なコンポーネントやツールを始め、CI/CDやレジストリ、データベースやロギングなどを揃え、開発者がセルフサービスで利用することを想定しています。

プラットフォーム・エンジニアリングが注目される理由

顧客との接触が多いウェブサービスにおいては、顧客ニーズに対応するため迅速なデプロイが求められます。そのため開発期間は短く、変更頻度は多くならざるを得ません。こうしたスピーディな開発に対応するため、パブリッククラウドの活用とDevOpsの概念が浸透してきました。しかしそれは同時に、アプリケーション開発者への負担を強いることでもあります。DockerやKubernetes、IaCなど、モダンなアプリケーション開発・運用のテクノロジーを活用したり、開発者自身が開発環境を構築することは、本来の業務を越えた作業負担とも考えられます。こうした考え方から開発者の負担を軽減することで、本来の業務であるプログラミングに集中できる環境を整え、早期のデプロイを叶えるという視点で、いまプラットフォーム・エンジニアリングに注目が集まっているのです。

ちなみにSRE(サイト信頼性エンジニアリング)もモダンな開発手法として人気ですが、こちらは主に運用フェーズにおいて品質の向上を目指すための自動化を掲げています。自動化によるスピードアップは期待できるかもしれませんが、開発者の負担軽減を目指すプラットフォーム・エンジニアリングとは、課題定義から異なっています。


プラットフォーム・エンジニアリングが充実すれば、フリーランスの開発者としても、仕事効率のアップが期待できます。またITフリーランスの仕事の選択肢として、プラットフォームチームでの活躍の可能性もあるでしょう。あらゆる分野のITフリーランスにとって、企業の取り組みが増えてきた今から注目しておきたいトレンドです。


▼参考
Gartner社 プラットフォーム・エンジニアリングとは何か?

インダストリアル・クラウド・プラットフォーム(ICP)

インダストリアル・クラウド・プラットフォームとはなにか

インダストリアル・クラウド・プラットフォームは、業界に特化してクラウドサービスを集めたパッケージソリューションです。企業はIaaS・PaaS・SaaSを含むサービスカタログから、必要なサービスを選んで導入します。これまでも業種別ソリューションは展開されていましたが、インダストリアル・クラウド・プラットフォームでは、特にパブリッククラウドの相互接続が意識されている点が大きな違いです。

インダストリアル・クラウド・プラットフォームが注目される理由

DXを推進する今、クラウドサービスの導入はビジネスを加速させるために不可欠な要素になりました。ただしクラウド導入と言っても、経理財務の処理を行う会計クラウドや、生産管理や顧客管理のためのクラウドERP/CRMなど、用途別に複数のシステムを導入しなければなりません。導入においては1つずつ検討が必要ですし、管理コストもかさみます。また複数システムの連携におけるデータの同期や、障害発生時の他システムへの影響も懸念されます。


こうした課題に対し、予め相互接続が考慮されており柔軟性や拡張性が高く、拡張や構成変更も迅速かつ低コストで対応できるという利点から、インダストリアル・クラウド・プラットフォームに注目が集まっています。システムを跨いだ横軸で膨大なデータの解析ができたり、AIなどの最新技術を取り入れられたりと、プラットフォーム化されているメリットもあります。特に医療・医薬品業界や金融業界といった、法規制やルール改正でシステム変更が頻発する業界では、大変注目されています。


既存の業務プロセスを変えずに業務効率化と生産性向上を目指す、理想的なDXの実現に、インダストリアル・クラウド・プラットフォームは近道を示していると言えるえるでしょう。社会的ニーズが高い分野になりますので、これから数年かけて徐々にメジャーになっていきそうなトレンドです。ITフリーランスへの依頼案件にも、インダストリアル・クラウド・プラットフォームの設計開発に関する案件や、クラウドサービス間の相互接続に対応する改修案件が増えていくことが予想されます。

ITフリーランスなら取り入れたいAI拡張型開発とは

生成AIの活用が進んでいるいま、ソフトウェア開発の現場で注目されている技術のひとつに「コード生成AI」や「AIコーディングアシスト」と呼ばれるサービスがあります。自然言語で要件を伝えれば、AIがコーディングを生成してくれるというものです。代表的なサービスとしては、「Code Llama」や「GitHub Copilot」、「CodeWhisperer」などが挙げられます。


またソフトウェア開発者であれば、「AI拡張型ソフトウェア・エンジニアリング」もぜひ取り入れたい技術でしょう。コードのリファクタリングやバグ修正、テスト業務、ドキュメント作成といった、ソフトウェア開発の工程で発生する反復作業をAIによって自動化するというものです。こうした機能を利用して、より効率的に高速でのデプロイが実現できるでしょう。

生成AIが一般化した社会でITフリーランスに求められること

生成AIは便利ですが、今のところソフトウェア開発者の代わりにはなりえません。なぜなら今日の生成AIは与えられたタスクやデータのみを材料に、肯定的な反応を返すことに留まっているからです。ビジネスの複雑な事情を考慮して適切な判断を下すことや、独創的な思考を紡ぎ出すような、優秀な開発者が自然と行うことは生成AIの範疇外です。


つまり今ITフリーランスに求められるのは、AIの適切な活用によるパフォーマンスの向上です。そのためにはAIの特性や活用法を学び、クリティカル・シンキングや問題解決能力をもって、ビジネス分野への応用力をつけることがますます重要になるでしょう。

トレンド情報のキャッチアップにも、ギークスジョブ

ITフリーランスは専門性を追求するための技術研鑽も大切ですが、同様に業界のトレンド情報のキャッチアップも欠かせません。社会全体がどこへ向かっているのか、IT/ICTでなにが実現できるのかを考えることは、ITフリーランスとしての仕事の方向性を示してくれます。業界動向を把握し、ニーズのある職務提供ができるよう備えておくことは、案件依頼の絶えないITフリーランスの必須条件でもあります。またクライアントと同じ課題を共有し、必要な時に適切な情報提供やアドバイスができると、ITフリーランスとしてさらなる信頼を獲得できるでしょう。


しかし日々の業務を遂行しながらのスキル研鑽、さらに業界のトレンド把握にアンテナを張り巡らせることは、ITフリーランスが一人で行うには負担が大きすぎるとも言えます。ギークスジョブでは、クライアント企業が持つ課題や悩みをもとに捉えた業界のトレンド情報や市場感を、ITフリーランスの皆さまに惜しみなくお伝えすることも大切にしています。案件・仕事探しはもちろん、トレンド情報のキャッチアップにも、ギークスジョブのサービスをご活用ください。


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