エンジニア向け技術セミナー『「遊びながら稼ぐ」ブロックチェーン×ゲーム』セミナーレポート!
ITフリーランスに特化した20年の支援実績を持つギークスでは、「Tech Valley(テックバレー)」と称し、エンジニアを対象とした最新の技術を学ぶ機会や知識を深めるセミナーを実施しています。
今回は、Polkadot公式アンバサダー兼株式会社DAO代表の上田氏と「Web3ゲーム・ゲームプラットフォーム事業」を手がける株式会社Mint Town 取締役CTOの山田氏にご登壇いただいた、イベントの内容をレポートします!Web3ゲーム領域で活躍したいエンジニアやクリエイターにとって必見のレポートとなっております!
この記事の目次
開催の背景
「Tech Valley(テックバレー)」は「エンジニアの好奇心を満たす出会いが見つかる」をコンセプトに、企業・著名なエンジニア・CTOによる講演やパネルディスカッションなど、様々な形で開催しているイベントです。
今回は、「geechs job(ギークスジョブ)」にご登録いただいているITフリーランスの方々の「ゲーム自体やゲームの開発は好きだがWeb3ゲームの最新情報が追えていない」 「Web3ゲームで使われている技術や開発者目線の体験談を聞いてみたい」といった声をもとに企画しました。
登壇者紹介
上田 敏孝氏Polkadot 公式アンバサダー兼DAO社 代表取締役CEO
2005年にHR系の企業へ入社し、採用領域でゼロから事業を生み出すことを経験。
2019年より個人事業としても活動を開始し、アドバイザーや講演家として活動しつつ、日本で唯一DAO型株式会社を”株式会社DAO”として設立。
WEB3.0を支えるフィクサーとして日々新しい概念を駆け巡っている。
山田 憲晋氏Mint Town社 取締役CTO
1995年にNEC社に入社しネットワーク関連の研究開発に従事。
2008年よりDeNA社に入社し、モバゲータウンやソーシャルゲーム「怪盗ロワイヤル」の開発に携わり、2010年に分析組織を立ち上げる。
2022年4月よりデータ本部 本部長として、DeNA社内のAI活用、分析業務全般を統括。
2023年1月よりThirdverse社へ参画。2023年5月Mint Town社 取締役CTOに就任。
ファシリテーターは、「Tech Valley」を推進するMakinoが担当しました。
セミナーの内容
プログラムは2部構成となっており、前半部は遊びながら稼ぐ!最新技術「ブロックチェーン × ゲーム」の全貌について、後半部は、Web3にまつわるキャリアや疑問をディスカッション形式でお答えしました。
「Web3ゲーム」とは?これまでのヒットゲームと課題
一部の大手Tech企業による価値の中央集権化などの、Web2.0の課題を脱却するために誕生したのがWeb3という概念です。「オーナーシップエコノミー」という新たな経済概念を確立するWeb3ですが、そのなかで近年Web3ゲームが注目されています。
Web3ゲームとは、ブロックチェーン技術を活用した暗号資産やNFTを獲得できるゲームのことを指し、2021年から2022年にかけて、ベトナムのSkyMavis社が開発するAxie Infinityや、Move to Earn(歩いて稼げる)を実現させたSTEPNが盛り上がりを見せました。
一時は100万人規模のデイリーアクティブユーザーを記録していた2つのタイトルですが、後に成長が止まってしまいました。その理由は、いわゆるポンジ構造と呼ばれる、ユーザーの初期投資に基づいてユーザーへリターンを行うという特性により、継続的な新規ユーザーの流入が必要となるといった課題にありました。その為、これらのゲームは一度トークン価格が下がると回復が難しいという特徴を持っています。
これまでの課題の払拭を試みる、日本のWeb3ゲーム開発とは
新規ユーザーの流入に依存して、長期的なユーザー確保及び収益性の課題を払拭すべく、MintTown社は、BLOCKSMITH&Co.社と共同で「キャプテン翼-RIVALS-」の開発を手掛けました。1日5分程度のプレイ時間で簡単に遊べるよう設計されており、ユーザーを飽きさせない工夫が凝らされています。日本人ユーザーのゲームリテラシーの高さ、改善へのフィードバックもあり、リリース半年を経過した今でも経済圏の維持に成功していると山田氏は語りました。
実際のWeb3ゲームの開発環境とは?
多くの技術者が関心を持つWeb3ゲームの開発環境は、一体どのような構造になっているのでしょうか。山田氏は、Web3ゲームの大部分はオフチェーンで構築されていることが一般的であると話しました。資産管理はRDBで、ブロックチェーン技術は主に資産の入出金トランザクションに使われています。また、安定的なトークノミクスを実現するためにもゲーム内の詳細分析がより重要になっており、変動する分析要件に柔軟に対応可能な分析環境が重要です。今後の開発では、ユーザーの参入障壁を低くするために、無料でゲームを始められるFree-to-Play、モバイルアプリ化なども視野に入れているとのことでした。
※オフチェーンとは....ブロックチェーンを使わない処理のこと
Web3×キャリアについて
後半部では、テーマをもとに登壇者のお二人にディスカッションをしていただきました。なかでも、Web3ゲームに携わる人に求められる経験やスキルに注目が集まりました。未だ道半ばであるWeb3ゲーム開発においては、Unreal Engineなどのゲームエンジンを使ったゲーム開発経験よりも広義に渡るフルスタックの技術が必要だとお二人は語ります。加えて、短納期かつ役割分担が明確でない環境で開発する場面も多いことから、フェーズに合わせて自身でやるべきことを明確にし自走できる力が求められると山田氏は言いました。
Web3業界全体として、未だ成熟していない市場だからこそ、新しいことに挑戦する好奇心や探究心を持つ方は積極的にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
さいごに
セミナー終了後のアンケートでは、「Web3について、分かりやすく解説いただいたので、知識の再確認になった」「日本のWeb3ゲームについて、内容やWeb3の仕組みを知ることができて良かった」などの前向きな感想が多数寄せられました。
Tech Valleyでは、今後も継続してエンジニアを対象とした最新の技術を学ぶ機会や知識を深めるセミナーを実施していく予定です。引き続き、ITフリーランスの皆さまのキャリアサポートを行ってまいります。
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